東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は19円高の2万1540円と小幅に反発しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数、マザーズ指数なども小幅に上昇しました。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の連邦公開市場委員会(FOMC)後の会見での発言が今後の利下げ期待を後退させ昨日の米国市場でダウ平均が333ドルの大幅安となったことを受けて、日経平均は159円安の2万1361円と続落して寄り付きました。

寄り付き直後に一時232円安まで下げ幅を広げた日経平均でしたが、109円台前半まで円安ドル高が進んだことからその後は徐々に下げ幅を縮めました。10時45分に発表された中国製造業PMIが市場予想を上回ったことも追い風となり日経平均は4円高の2万1525円と小幅なプラス圏に浮上して前場を終えました。6円安とほぼ横ばいで後場を迎えた日経平均は、前日終値を挟んだ値動きを続け19円高の2万1540円で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆2260億円でした。

東証33業種は証券商品先物が4%近く上昇したほか銀行業や医薬品などの13業種が上昇した一方で、海運業や化学、空運業などの20業種が下落しました。

2.個別銘柄等

東証1部の売買代金上位銘柄は、ほとんどが上昇しました。売買代金トップの任天堂(7974)が3.3%上昇したほか、ソフトバンクグループ(9984)や武田薬品工業(4502)、村田製作所(6981)、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、ファーストリテイリング(9983)、ZOZO(3092)、トヨタ自動車(7203)、TDK(6762)が上昇しました。中でも武田薬品工業は31日に発表した2019年度4~6月期決算で、シャイアーの買収効果で売上収益が前年同期比90%近く増加したことや今期の業績予想を上方修正し、最終赤字が従来予想よりも縮小する見込みとなったことが好感され7.4%上昇しました。また、電子部品大手のTDKは31日に発表した2019年度4~6月期決算で売上高や営業利益は前年同期比で減収減益となったものの、市場予想を上回って着地したことから7.8%上昇しました。一方でソニー(6758)は0.8%安と小幅に下落しました。

その他材料が出たところでは、日用品メーカーの花王(4452)が31日に発表した2019年度4~6月期決算で前年同期比で減収減益となったことから売られて3.4%下落しました。同社の主力商品である子供用紙おむつについて、中国で2018年夏に成立した新法により転売業者の購入が減少したことが要因の一つとして指摘されています。同様に中国の転売業者に人気があった高価格帯化粧品の需要減少が響き大幅な営業減益となったコーセー(4922)も8.4%下落しました。

VIEW POINT: 明日への視点

米国株は大幅安となりましたが本日の日本市場は円安に下支えされて小幅に上昇する底堅い展開でした。FOMCでは市場の予想通り0.25%の利下げが決定された一方で、パウエルFRB議長が記者会見で「長い利下げ局面の始まりではない」との見方を示したことで今後の利下げ期待がしぼむ結果となりました。本日は日本時間23時に発表されるISM製造業景況感指数が注目されます。

(マネックス証券 プロダクト部)