【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 27269.97 ▼79.22 (7/24)
NASDAQ: 8321.50 △70.10 (7/24)
1.概況
米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均はキャタピラー(CAT)とボーイング(BA)の下落が重石となり3日ぶりに反落となりましたが、半導体株への買いを支えにS&P500株価指数とナスダック総合株価指数は3日続伸となり揃って史上最高値を付けています。86ドル安でスタートしたダウ平均は158ドル安まで売られたあと58ドル安まで持ち直す場面もありましたが、上値は重くその後も軟調に推移すると結局79ドル安の27,269ドルで取引を終えています。
一方でS&P500株価指数が14ポイント高の3,019ポイントとなり15日に付けた史上最高値を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も70ポイント高の8,321ポイントとなりこちらも15日に付けた史上最高値を更新しています。
2.経済指標等
7月の米製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は50.0と前月から低下し市場予想も下回りました。また、6月の米新築住宅販売件数も年率換算で前月比7.0%増の64万6000戸に止まり市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち金融やコミュニケーション・サービス、情報技術などの8業種が上げました。一方で生活必需品と不動産、素材の3業種が下げています。
4.個別銘柄動向
半導体大手のテキサス・インスツルメンツ(TXN)が決算が市場予想ほど悪化しなかったことで買われ7%を上回る上昇となりました。他の半導体株にも買いが波及し、インテル(INTC)が2%以上上げたほか、エヌビディア(NVDA)やアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)も2%近く上昇しています。さらに写真・動画共有アプリのスナップ(SNAP)が決算で売上高と利用者数の伸びが市場予想を上回ったことで急伸し19%近く上げています。物流のUPS(UPS)も決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったことから9%近く上げました。また、米司法省がソフトバンクグループ(9984)傘下のスプリント(S)とTモバイルUS(TMUS)の合併を週内にも承認する見通しと伝わったことで、スプリントが8%高となったうえ、TモバイルUSも3%余り上昇しています。
一方でキャタピラーが決算で1株利益が市場予想を下回ったことなどで4%以上下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。ボーイングも決算が最終赤字に転落したことなどで3%を超える下落となりました。キャタピラーとボーイングの2銘柄でダウ平均を120ドル余り押し下げています。取引終了後に決算を発表した電気自動車のテスラ(TSLA)は決算で最終損益が赤字となり市場予想も下回ったことから時間外で大きく下げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.04%低い2.04%となりました。ドル円は108円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国市場でS&P500株価指数とナスダック総合株価指数が史上最高値を更新したことから上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均がどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)