英ポンド/米ドル(1.2020〜1.2570) 9月12日〜9月18日まで
アナリシス:
皆さん、こんにちは! 英議会は9月10日に閉会しましたが、今後の英議会の動向には注意が必要です。
英議会は10月14日に新会期が始まるまで、ブレグジット問題を含めて一切の審議が停止されます。ジョンソン首相は、合意の有無にかかわらず10月31日にEUを離脱することを目標にしており、先に決めた措置となっています。合意なき離脱に反対する議会の横やりを避ける目的ですが、野党はこれに最後まで猛反発していました。
下院ではこの日、午前2時前にようやく全審議が終了。閉会の儀式が始まると、同首相には「恥を知れ」との野次が浴びせられる場面もありました。
また、下院はこれに先立ち、ジョンソン首相が提出した10月15日に早期総選挙を実施する案を否決。このため、総選挙が実施されるのは早くても11月以降の見通しです。
また、この日には合意なきEU離脱の阻止に向けた法案が女王の勅許を得て法律として成立。これにより、ジョンソン氏は10月19日までにEUから合意を取り付け、議会の承認を得られなければ、離脱期限を現行の10月31日から2020年1月31日まで延期するようEUに要請することを義務付けられました。
これらのことから、キーとなるのは10月19日までに首相がEUとの合意を取り付けることができるかどうかです。
首相は当初はアイルランド国境をめぐるバックストップ案の完全撤廃をEU側に求めていました。しかし、離脱直後は農産物と食料についてのみ英領北アイルランドをEU関税同盟に留める妥協案や、バックストップの期限を定める案も発言しており、やや柔軟な姿勢に変わりつつあります。
いずれにしても、EU離脱は2020年1月31日までの延期が濃厚のようです。ポンドは急伸し、直近1週間は上昇しています。
他方、9月12日には欧州中央銀行(ECB)の政策金利発表が控えています。10月末をもって任期満了となるマリオ・ドラギECB総裁が、最後にどのような措置を取ってくるのかが注目されます。
利下げとなり大規模な金融緩和となれば、一気にユーロ売りとなる可能性もありますので、ご注意ください。
それでは、月足チャートです。
トレンドレス下段。−2σからミドル方向に上昇中。このままWボトム形成となるかどうかの場面になります。
続いて、週足チャートです。
ダウントレンド戻り目形成中。現在MA反発場面。前回話していたように、−1σ反発とはならずMA反発となり、一旦下落方向になるのか、または、ミドルラインまで上昇するかの場面です。
最後に、日足チャートです。
ダウントレンド後の中段保合い相場。
1.2290〜1.2300付近が中段保合い上限のため、ここから立てられるシナリオは3つ考えられます。
【1】MA反発の今のタイミングで抑えられて、下落する。
【2】ミドル反発までもう少し上昇してから下落する。
【3】1.2020〜1.2150の間で日足トリプルボトムからトレンド転換して上昇する。
それでは、今週の注目指標です。
12日(木)
20:45 EUR・ECB政策金利
21:30 米・消費者物価指数
13日(金)
21:30 米・小売売上高
18日(水)
18:00 EUR・消費者物価指数
27:00 米・FOMC、終了後政策金利発表
27:30 米・パウエルFRB議長定例記者会見
上記の分析から、エントリーポイントとしては以下のとおりです。
予想レンジ:1.2020〜1.2570
メインストラテジー:
日足ベースシナリオとして
買いをするなら
・1.1890〜1.1950の月足Wボトム根拠にエントリー
・1.200〜1.2150の日足トリプルボトムやBOXトレ転を根拠にエントリー
・1.2380を上にブレイクしたら短期足押し目を根拠にエントリー
売りをするなら
・1.2380〜1.2400付近の週足MA反発+日足中段保合上限を根拠にエントリー
一段上がって、
・1.2480〜1.2520付近の週足ミドル反発+日足中段保合上限を根拠にエントリー