米ドル/円 日足
週間予想レンジ:108.00~110.00
メインストラテジー:押し目買い
・米雇用統計の好調で一段と米ドルの買い戻しにつながった
・108円大台乗せがあっても、この前の「オーバーシュート」に対する反動は続く
・米長期金利の反騰を背景に、米ドル/円の上昇は継続される公算
アナリシス:
先週は続伸、先々週足では「底打ち」の可能性を一段と強化した。108円大台以上の大引けもあってリスクオフの流れの終焉を示し、これから戻りの余地を拓く公算だ。
6月米雇用統計の好調によって米長期金利は下げ止まり、反転したことを背景に米ドル/円の上昇が見られる。「売られすぎ」であった米長期金利の戻りが継続される見通しのなか、米ドル/円の続伸が想定され、またその確率が高いとみる。
既述のように、4月高値を起点とした下落波は最終段階にあり、年初急落時と同様にかなり「オーバーシュート」の状況だったため、先々週に一時107円関門割れまでの安値打診自体が「クライマックス」的な値動きだった。
先々週の週足の陽線引き、そして先週の続伸をもってこの見方を証左した以上、「オーバーシュート」に対する反動は続く公算だ。5日の大陽線は新たな切り返しの始まりを示す。
もっとも、4月高値を起点とした下落波動は大型「下落ウェッジ」を形成し、1日の陽線をもって同フォーメーションの上放れを示した。7月3日までの反落、この「下落ウェッジ」の元抵抗ラインの延長線を再確認しただけに、その後の切り返しが同フォーメーションに対する上放れの蓋然性を一段と証左したわけだ。ゆえに、7月5日の大陽線の意味合いが一層重要視される。
とはいえ、この前の「オーバーシュート」が深刻だっただけに、戻りの抵抗として108円後半から109円前半までの抵抗ゾーンを無視できない。その半面、一直線なブレイクは容易ではないものの、一旦トライがあれば基調改善の前提条件を整え、市場センチメントも一段と改善されるだろう。
さらに、抵抗ゾーンのブレイクがあれば6月25日を「ヘッド」とし、6月5日、7月3日前後をそれぞれ「ショルダー」と見なした場合、日足では「ヘッド&ショルダーズ・ボトム」(逆三尊)を形成する公算が高まり、ドル上昇の土台を強化するだろう。
日足では、前述のように7月3日までの調整があったものの結局切り返したので、戻りの継続を有力視した。従って、3日罫線自体が示した「スパイクロー」の意味合いもひとつのポイントになってこよう。換言すれば、同日安値107.53円を下回らない限り、米ドル/円の戻りが継続される公算。
豪ドル/円 日足
週間予想レンジ:75.50~77.50
メインストラテジー:押し目買い
・拮抗状態続くも地合いが改善されつつある
・底打ちパターンは鮮明、戻り継続の公算
・豪ドルの「売られすぎ」修復されず、対米ドル・対円でリバウンド継続へ
アナリシス:
先週は保ち合い、「星線」に近い形で大引けした。この場合、途中のスピード調整と見なし、基調の判断自体は不変となる。
既述のように、先々週の大幅反騰は6月第3週の底打ちを証左した。もっとも、我々はこの6月第3週の安値更新を下落の「クライマックス」と見なしただけに、先々週の大幅反騰を当然視したわけだ。この意味でも先週の保ち合いを過大解釈すべきではないと思う。
6月第2週からの3週間の足型の組み合わせは「明けの明星」のパターンを示し、同パターンの維持もあって見方の修正は特にない。
繰り返し強調したように、この前の「オーバーシュート」が深刻だった。75円関門ばかりか、一時的な74円関門割れ自体はその深刻度を示し、足もとまでの切り返し、同「売られすぎ」に対する修正は不十分。前記週足における底打ちパターンの鮮明化に鑑み、戻りは当面継続される公算。
さらに、7月3日の大陽線が再度強気「リバーサル」のサインを点灯し、途中のスピード調整の一環として地合いの堅調を示唆する。同日安値75.11円を下回らない限り、地合いの悪化はなく、先週の保ち合いがあったほうがより健全な戻りが形成されるとみる。
76円台半ばは引き続き抵抗ゾーンと見なし、ブレイクの有無によって次のステップを測れるが、相場ブレイクの公算だ。メイン抵抗ゾーンは77円台半ばに集中し、一気にブレイクは無理があっても、一旦トライがあれば、基調を引き続き改善していく見通し。
もっとも、7月1日の罫線は弱気「リバーサル」のサインを点灯し、6月10日罫線のサインに近く、また同じく76円台前半の抵抗を証左していた。
「フォールス・ブレイクアウト」や「スパイクハイ」の意味合いは、前回(6月10日)と違って1日罫線が「効かない」現状に鑑み、かえって戻りのターゲットになりやすい。そのため76円台前半のトライやブレイクがあれば、一段と戻りの土台を構築していく見通しだ。豪ドルの「売られすぎ」、対米ドルでも対円でも鮮明だっただけに、しばらく戻りを続ける。