英ポンド/ドル (1.2420~1.3180) 6月27日~7月3日まで

アナリシス:

皆さん、こんにちは!大阪で開催されるG20を控えて、各通貨ともにややドル買いの状況となっています。一昨日、セントルイス連銀のブラード総裁が7月の連邦公開市場委員会(FOMC)で50bpの利下げの必要性がないと発言したことをきっかけに、米/ドル円、クロス円は全般的に円売り米ドル買いとなりました。

その後、パウエルFRB議長が会見の中でも、利下げに向けた意欲的な内容というより、よく見極めての判断が必要との見解を示しました。

ただし、このような発言はトランプ大統領に歓迎されているようには見えません。

26日に、トランプ大統領はFRBに対して再度利下げを呼びかけましたが、こうした行動がFRBやパウエル議長にどう受け取られるかに注目したいと思います。

大統領はパウエル議長を解任、もしくは降格させたい意向があるようですが、直接的な言及には至っていません。大統領はドルの切り下げを行い、他国との輸出分野でも成長を加速させたい考えがあるようです。それ以外の面でも、ここ数年のドル高はアメリカ経済にとって良い面ばかりではないことが、こうした一連の状況から伺えます。

利下げを行うことで、対ユーロ、対円への米ドル全面安は当面続くのかどうか…今後の動向には注目していきたいと思います。

他方、イギリス内は保守党党首選の争点がブレグジットだけではなく、税制改革にもあてられています。ボリス・ジョンソン前外相が打ち出す社会保障制度改革には、国民保険料の支払い義務が生じる最低額の引き上げも挙げられています。しかしながら、この制度改革は富裕層の減税対策における隠れ蓑の役割を果たしているとの報道もされています。

7日前までは売り一辺倒だった英ポンド/米ドル相場もここ1週間の前半で一気に買いに傾いた後、現在は小康状態。米中貿易摩擦による米ドル売りも絡んでおり、米中首脳会談の状況によっては、一気に米ドル売り、米ドル買いいずれかの一方向に傾く恐れもありますので、皆さん、ご注意ください。

それでは、月足チャートです。

【図表1】英ポンド/米ドル(月足)
出所:筆者作成

トレンドレス下段。−2σまでゆとりあり。この形状から1.2330~1.2420近辺までの下落余地が想定出来ます。上昇余地は直近高値の1.3180近辺となります。
続いて、週足チャートです。

【図表2】英ポンド/米ドル(週足)
出所:筆者作成

トレンドレス下段から中段に移行中。今後ドル売りとなれば、MA、ミドルライン付近まで上昇する可能性もありますので、ご注意ください。

最後に、日足チャートです。

【図表3】英ポンド/米ドル(日足)
出所:筆者作成

 
ダウントレンド後のレンジですが、週足の形状から一旦トレンドレスとみなします。MA、ミドル付近に位置していますので、上下どちらにも推移しうる状況です。

向こう1週間に発表予定の重要指標です。

27日(木)
21:30 米・GDP確定値

28日(金)
17:30 英・GDP確定値 
18:00 EUR・消費者物価指数
21:30 米・個人消費支出

7月1日(月)
8:50 日・日銀短観(四半期大企業製造業業況判断)
23:00 米・ISM製造業景況指数

3日(水)
21:15 米・ADP雇用統計
23:00 米・ISM非製造業景況指数

上記の分析からエントリーポイントとしては、以下のとおりです。

予想レンジ:1.2420~1.3180

メインストラテジー:

<日足ベースシナリオとして>
買いをするなら
・1.2590~1.2610の日足トレンドレス下段逆張り+4時間足トレ転−2σタッチを根拠にエントリー
・もう一段下がって、1.2520~1.2540の日足トレンドレス下段逆張りを根拠にエントリー
・1.2760を上に抜けたら、短期足を使って押し目で順張りエントリー

売りをするなら
・1.2530近辺のトレンドレス下段をブレイクしたら、短期足の戻り目でエントリー
・1.2760~80で日足トレンドレス上段から逆張りエントリー