米ドル/円 日足

週間予想レンジ:107.00~108.50

メインストラテジー:押し目買い

・米中首脳会談決定でリスクオフの流れが一服
・「オーバーシュート」の状況一段深刻、107円大台の維持もあり、底固い推移も
・米長期金利急落につれ安だったが、米株高への反応はこれから

【図表1】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

アナリシス:

先週は大幅続落、108円関門の割り込みをもって「オーバーシュート」の状況が一段と深刻化した。

既述のように、4月高値を起点とした下落波は最終段階であり、年初急落時と同様、かなり「オーバーシュート」の状況だった。そのため、108円関門割れ後、一時107円関門寸前までの打診自体を「クライマックス」的な値動きとみる。

ゆえに、その後値幅は限定的だったものの、やや持ち直し、週足では「星線」形成、底打ちの可能性を示唆したとみる。

この場合、年初安値を起点とした全上昇幅に対する押し位置、0.618FIBOの水準より「深押し」を果たしたが、一時的なオーバーと位置づけ、これから回復を図るだろう。

もっとも、材料面ではリスクオフの流れが一服したはずだった。日米首脳会談の決定が最大のテーマ、また米国株の歴史的高値再更新もあって、米ドル/円の下値余地を制限してくるだろう。米長期金利急落のみに反応、またつれ安だったが、これからは従来のパターン、即ち日米金利差よりも米国株のパフォーマンスに反応しやすく、持ち直しが想定される。

強調したいのは、107円関門の打診自体、テクニカル視点における「オーバーシュート」の状況も一段と強まったわけだから、下げ一服または下値余地限定が当然の成り行きであった。年初急落時を超えた程度の「売られすぎ」が観察されただけに、先週の値幅限定を最初のサインとみなせる。

日足では、6月20日大陰線に鑑み、同日高値108.14円の回復なしでは安値圏での保ち合いに留まるとも推測される。この前に、6月5日の罫線が強気「リバーサル」のサインだったことに鑑み、同日安値の107.81円前後が目先の抵抗にもなっているため、早期ブレイクの有無が目先の物差しとなろう。

いずれにせよ、地合いの悪化でリバウンドがあっても当面頭重いと推測され、改善があっても時間がかかる見通し。108円後半~109円前半の抵抗ゾーンの打診やブレイクがあっても後ずれに。

ドルインデックスも先週急落、外貨高を通じて、目先主要クロス円における円高圧力が緩和されるはず。従って、これから同傾向が一段と強まってくれば、米ドル/円の支えと化すだろう。メインシナリオとして、引き続き押し目買いのスタンスを維持するが、何らかの材料なしでは値幅は限定的と推測される。

豪ドル/円 日足

週間予想レンジ:74.50~76.00

メインストラテジー:押し目買い

・豪ドル対ドルは底値割れを回避、米ドル/円次第の公算
・一旦74円関門割れを果たしたことで、ショート筋の目標達成感は強い
・オーバーシュートの状況、年初来の急落時を超え、リバウンド先行必至

【図表2】豪ドル/円(日足)
出所:筆者作成

アナリシス:

先週は再度安値更新、地合いの一段悪化を示唆したものの、値幅は限定的、下落の「クライマックス」を暗示したとみる。一旦74円関門を割り込んでいたがその後持ち直し、豪ドル/米ドルの底割れ回避と同時に、持ち直しを図ったとみる。

日足では、6月18日安値更新した後に切り返し、強気「リバーサル」や「スパイクロー」のサインを点灯、その後の保ち合いをもたらしたとみる。同サインが効いているうち、リバウンドの先行が必至、また「オーバーシュート」の状況が改善されると推測される。

既述のように、75円関門割れ自体が年初来急落時と同様、「オーバーシュート」であった上、ショート筋にとって目標達成が強かったはずだ。75円台大台前後のターゲットは計算通りだったので、従来のロジックを証左したと言えるから、逆説的には一旦下げ止まりになりやすい水準であった。

先週の再度安値更新で同逆説を否定する側面も無視できないものの、4月高値を起点とした下落波の延長また「クライマックス」として位置づけるから、一旦74円関門割れがあっても下値限定だったことを同見方の証左とみる。

先週に指摘した通り、そもそも我々は下値リスクを引き続き警戒していた。底打ちを確認できるまで、更なる安値打診があってもおかしくなかったことは先週の指摘の通りであり、先週の値動きはその結果とみるが、前記6月18日のサインに鑑み、底打ちが一旦達成された可能性は大きいとみる。

強調したいのは、4月高値を起点とした下落波はすでに「クライマックス」の段階に入り、5月17日安値から6月3日安値を連結するサポートラインの制限もあって、下値打診があっても制限されること。米ドル/円の下落一服と相まって、近々再度底打ちを図る可能性は無視できない。

ただし、先週のサインのみではなお不十分であり、より確実な底打ちのサインを待ちたい。75円台前半は目先抵抗、早期打診やブレイクは前提条件となるだろう。その後76円関門まで抵抗ゾーンが密集、仮に底打ちがあっても当面頭重いだろう。地合いの改善、米ドル/円次第の側面が大きく、また時間がかかる見通しだ。