先週、日経平均は令和になって初めて週ベースで上昇した。このまま悪い流れを断ち切って2万1000円の大台を固めることができるかが今週の焦点だ。関門は2つある。ひとつは2万1100円台に下降してきている25日移動平均に頭を抑えられることなく抜けていけるか。もうひとつは週末に控えたメジャーSQを波乱なく通過できるか。どちらに関しても、薄商いのなか先物主導の展開が続いているだけに、出来高の盛り上がりが鍵となろう。

週明けの東京市場は堅調に始まりそうだ。米国がメキシコへの関税発動を見送ったことに加え、雇用統計でNFPが下振れしたことで一段と利下げ期待が高まり、NYの株式相場が大幅に続伸したことなどが日本株相場にも追い風となろう。

但し、米国の利下げ観測については市場はやや先走り過ぎの感がある。先週はパウエル議長の発言や雇用統計など利下げ期待を強める材料が豊富だったが、今週は材料に欠け、米金利については低下に歯止めがかかるか、揺り戻しの動きもあるだろう。それは、すなわち円高一服で日本株にはプラス材料だ。

指標では米国5月のCPI(消費者物価指数)、小売売上高、鉱工業生産などで景気見通しの小幅な修正があるだろう。金曜日の中国の主要経済指標の発表もいつも通り注目を集めよう。

米国の通商政策は、メキシコとの関税問題も決着し、次はいよいよ対中国である。月末のG20をにらんでここからは米中のニュースフローがまた増えてくる。神経質な展開がしばらく続くことになろう。

今週の予想レンジは2万800円~2万1300円とする。