安全圏へ資金はシフトし、公益事業ETFは暴騰 | 米国株マーケットEYE！ | マネクリマネックス証券の投資情報とお金に役立つメディア

トランプ大統領の対中貿易戦争は、すべての銘柄に悪影響を及ぼしているわけではない。キーセーフヘイブン（安全資産）での価格変動を見てみよう。

ステートストリートの公益事業セレクト・セクターSPDRファンド（XLU）は、先週2.5％上昇しているが、S&P 500全体では2%近く下落している。不動産投資信託以外では、公益事業が唯一の主要セクターで、その期間でプラスのリターンを上げている。

いくつかの力が同時に起きているように見える。その結果、多くの投資家がこれまで無視していた市場の一角に一気に資金が流れ込んでいる。

第1に、安定した事業を持ち、配当を支払っている公益事業セクターにとっては、一般的に恐れが良いことである。当セクターは景気に敏感な工業株や半導体株よりも景気後退を切り抜けられる。

しかし、恐怖だけでなく、多くのことが起きている。結局、景気後退を真剣に予想している人はいない。他の2つの重要な問題は、金利と中国に対するビジネス露出である。

SPDRファンド（XLU）のチャートは57ドルを超えている

金利への影響

公益事業セクターはインカム・ストックと見なされているので、金利の低下から恩恵を受ける。
投資家は、金利が低いときには低い配当利回りを受け入れ、その結果、より高い株価を支払おうとする。

そして、もしそれを見逃した場合、金利は昨日急落した。30年米国債利回りは、ワシントンと北京がお互いの罵り合いを続けたことから、過去1年間で最低の水準まで低下した。また、前回のFRB(連邦準備理事会)では、ハト派的な議事録が発表された。

他の公益事業セクターにどんな有利な点があるのだろうか？それは中国への露出があまりないことがある。多くの大株主が、アップル(AAPL)やエヌビディア(NVDA)のように、中国に関連する事業を手掛ける数十億ドル規模の企業を抱えていることを忘れてはならない。

長い間、この存在は成長機会と見られてきた。しかし、今やマネーマネジャーは、現在の争いが続くだけでなく、さらに悪化する可能性もあると考え始めている。彼らの反応は、アジアにほとんど、あるいは全く足場を持たない新しい資産クラスを見つけることである。公益事業セクターが、その条件を満たしている。

公益事業セレクト・セクターSPDRファンド（XLU）の5大組入銘柄の内訳は以下の通りである。

ネクステラ・エナジー（NEE）:フロリダ州に位置する世界最大の電力供給会社また、同社は米国全土に原子力発電所、風力発電所、太陽光発電設備を設置している。
デューク・エナジー（DUK）：ジェーム・ブキャナン・デューク氏が設立したデューク大学と同じ名前で付けられたデューク・エナジー（DUK）は、カロライナ州、フロリダ州、中西部を横断している。同社は原子力発電所や石炭火力発電所があり、いくつかのソーラーファームがある。
ドミニオン・エナジー（D）:バージニア州リッチモンドに拠点を置く公益事業は、ユタ州やアイダホ州のような成長著しい州に足がかりを得ている。
サザン（SO）：アトランタに本社を置く企業は主にジョージア州とアラバマ州に集中している。また、オプション・トレーダーにとっても、1日平均約7,000枚の取引が活発に行われている。
エクセロン（EXC）：シカゴに本社を置く同社は、米国最大の原子力発電事業者であるコモンウェルス・エジソンを所有している。

最後に、公益事業セレクト・セクターSPDRファンド（XLU）は最近57ドルで反発しました。そのピークは2017年と2018年である。チャートを見ている人は、これを強気の兆候と解釈することができ、古くからの抵抗が支持されるようになった。

結論として、マネーは株式市場のどこかでいつもどこかに向かっている。多くの投資家は、歴史的にハイテク企業の潜在成長力を好んできた。しかし、より大きな状況が変化するにつれて(地政学と金利)、公益株に新たなローテーションが起きるかもしれない。

このポストは、当社の通常の「週のETF」シリーズの一部である。このシリーズは興味深いニュースや価格の変化を伴う上場投資信託（ETF）に焦点を当てている。

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