英ポンド/米ドル (1.25800~1.33000) 5月16日~5月22日

アナリシス:

皆さん、こんにちは! 米中関税問題の影響で為替市場は下落方向に動いています。特に米ドル/円、クロス円は軒並み軟調な動きとなっています。

米ドル/円は、2年ほど続いた月足のレンジ相場からダウントレンドに転じて行くかどうかが注目されるところです。

今週の英ポンド/米ドルはリスク回避の動きも見られ、5月1週目の雇用統計発表後は上昇したものの、週明けから下落しています。

米トランプ大統領のツイッター発言で相場は上下に動く状況が続いていますが、今後の発言や政策次第では、米ドル/円は90円台まで円高が進行していくことも想定しています。

他方、ブレグジット関連についての状況です。

BBCの報道によると、メイ首相は6月上旬に下院で、欧州連合(EU)離脱協定の実施に向けた国内法案を巡る採決を行う方針とのこと。議会が夏季休暇に入る前にブレグジットを実現させる狙いがある模様です。

ただ、最大野党・労働党から支持が得られなくても採決は断行する考えで、同法案が否決された場合には、合意なき離脱か離脱取り消しの二者択一になると話しています。

5月15日に行われた、政府と最大野党の労働党の協議は平行線のままのようで、建設的な意見交換や進展もなく終了したようです。メイ首相の離脱後の関税政策と、労働党コービン党首が求めている関税同盟が最も歩み寄りを難しくしている部分と言えそうです。

現在の為替相場はアメリカ発信のニュースで動いているため、英国内のこういった動きでの英ポンド/米ドルの反応は鈍くなっています。万が一、上記の採決で合意なき離脱、もしくは離脱取り消しとなるようなことがあれば、一気にポンドの動きも変わってくるので注意が必要です。

合意なき離脱をした場合は更なる下落が予想され、離脱取り消しとなればポンドは急騰となると見ています。

実際の採決が6月の何日になるのかは、今後のニュースをチェックし、見落とすことがないようにしたいものです。

また昨日発表されたユーロ圏のGDPは前期比0.4%増とのこと。ドイツのプラス成長に起因するものと分析します。

それでは、月足チャートです。

【図表1】英ポンド/米ドル(月足)
出所:筆者作成

トレンドレス中段から下段に以降中。この形状から想定できるのは、1.2700近辺までは下落可能であり、それ以上下落するなら-2σまでとなります。上昇余地は直近高値の1.3390近辺となります。
続いて、週足チャートです。

【図表2】英ポンド/米ドル(週足)
出所:筆者作成

トレンドレス中段を抜けて下げ方向。第1サポートは1.2730近辺。それを抜けると1.2580となります。

最後に、日足チャートです。

【図表3】英ポンド/米ドル(日足)
出所:筆者作成

トレンドレス下段。短期的にはダウントレンド開始。 このまま2σに沿って下落が続くのか、一旦下げ止まりって上昇するのか悩ましい場面です。上昇するならMA、ミドルライン付近までと想定します。

向こう1週間の重要指標です。

17日(金)
18:00 EUR・消費者物価指数改定値

20日(月)
8:50 日・GDP速報値

21日(火)
8:00 パウエルFRB議長発言

上記の分析からエントリーポイントとしては、以下のとおりです。

予想レンジ:1.25800~1.33000

メインストラテジー:

<日足ベースシナリオとして>

買いをするなら
・1.2780~1.2810付近で長期的に見た日足トレンドレス下段逆張りを根拠にエントリー
・1.2720~1.2750の週足トレンドレス下段逆張りを根拠にエントリー

売りをするなら
・1.2830を下にブレイクしたら、短期足を使って戻り目で順張りエントリー
・1.3180付近で週足・日足トレンドレス上段逆張りを根拠にエントリー