米ドル/円 日足
週間予想レンジ:111.00~113.00
メインストラテジー:押し目買い
・年初安値を起点とした上昇波は継続され、新たな段階に
・米株の堅調に追随しやすく、更なる上値トライへ
・高値圏での保ち合い、上放れの前兆と見なす
アナリシス:
先週は値幅限定、高値圏での保ち合いに留まり、一段上値打診を準備する段階にあると推測される。
今年は連休期間が長いため投機筋に狙われ、年初のフラッシュ・クラッシュが再来してもおかしくないといった警戒感も強いが、リスクオン/オフにおいて大きく異なる目下においては多少の円高があっても年初のようなフラッシュ・クラッシュの再演は難しいと見る。
従って、我々は先週の判断を維持、また先週指摘したプライスアクションのサインをそのまま生かしておきたい。
前回のコラム「米ドルと豪ドル、円売り優勢が一段と鮮明化」で述べたように、先々週の続伸は112円関門以上の大引けをもってブルトレンドへの復帰を示唆。週足では「スパイクロー」のサインを灯し、連続3週間の続伸を果たした。これから3月高値をブレイクし一段と上昇モメンタムを強める公算が大きい。先週の値動きはかなり限定的であったが、途中のスピード調整と見なし、これから続伸しやすい、という見方は不変だ。
もっとも、先々週の週足は「スパイクロー」のサインを点灯していた。日足でみると4月10日までの反落が110.84円前後に留まったところは大きく、また4月1日大陽線を割り込めなかったため、その後の反転(上昇)につながり、週足におけるサインの形成に寄与したわけだ。
その上、3月安値を「ヘッド」と見なした場合、3月8日や4月10日安値を「ショルダーズ」と見なし、「ヘッド&ショルダーズ・ボトム」(三尊底)というフォーメーションを形成し、先々週後半の大幅上昇で同フォーメーションの上放れを果たした。先週の高値保ち合い、前記フォーメーションの「ネックライン」の上の維持されたのでも強いサインと解釈される。
繰り返し指摘してきたとおり、年初来のリバウンドは3月5日までほぼ順調に進んできた上、112円関門の打診をもって一旦目標達成感が強かったため、3月における反落が当然のスピード調整と見なせる属面も大きかった。しかし、調整が確認され、また112円関門の再回復もあって、もはや年初のクラッシュ・フラッシュに対する反動、といった位置付けではない。
換言すれば、年初安値からドルの上昇を息のないトレンドとして推進波と位置づけ、3月における調整もあって、より健全化された波動だと見る。ゆえに、今回こそ112円台前半~同後半の高値ゾーンをトライ、またブレイクを果たすでしょう。巷の論調と違い、日本の連休期間における「突っ込み」があれば、下放れよりも上放れの蓋然性が高いと思われる。
また、一時の「突っ込み」があっても、先々週安値110.83円を下回れない限り、前記フォーメーションの否定にならないので、目先ハードルは高いとみる。今週3月高値の更新、また112円後半の打診があれば、円高リスクの一段後退につながる。
豪ドル/円 日足
週間予想レンジ:79.50~82.00
メインストラテジー:押し目買い
・年初安値を起点とした上昇波は継続、すでに上値余地を拓いている
・利下げ観測の浮上があっても豪ドル堅調、円売りの受け皿として適切
・米ドル/円の上放れとともに上放れ、整合性が示され、これから一段と強まる
アナリシス:
先週は値幅限定、高値圏での保ち合いに留まった。基本は先週の判断を維持、また先週の見通しの延長線にあるから、先週指摘したポイントをそのまま生かしておきたい。
要するに、先々の週大幅続伸で大型保ち合いを打破し、また上放れを確定したから、先週の保ち合い、従来の保ち合いレンジの上に位置するため、新たな上昇段階にあること自体は不変ということだ。
繰り返し指摘してきたように、日足でみると、3月25日一旦安値打診してから陽線で大引け、3月8日安値に対する一時の下放れが「ダマシ」であったことを証左、「フォールス・ブレイクアウトのサイン」を点灯したところは大きかった。大型保ち合いの継続がより鮮明になり、また77.42円割れを回避したところも大きかったため、その後の続伸や先々週の上放れをもたらした。
さらに、大型保ち合いの上放れがあったからこそ、年初のフラッシュ・クラッシュに対する反動、という位置づけではなく、年初来安値を起点とした上昇波の継続と認定された。これにより、ロング筋の優勢でしばらく上値トライしやすく、先週の値幅限定があっても同シナリオが維持され、これから一段と上値余地を拓く公算が大きい。
豪利下げ観測の高まりで、豪ドル対ドルでも「底割れ」を回避、中段保ち合いが継続されてきた。従って、豪ドル/円は米ドル/円の強気変動に連動して上放れを果たし整合性を強めてきたから、これから一段と強まる見通しだ。
この前の大型保ち合い自体、1月半ば~先々週半ばまで続いていただけに、先々週の上放れが確認された以上、少なくとも「倍返し」の82円大台を狙えるだろう。
先週の保ち合いは米ドル/円と同様、イースターを控えた商い薄、そして日本の連休を控え、変動率の拡大に対する警戒などが背景にあると推測されるが、リスクオンのムードの目下、総じて杞憂で終わる公算が大きい。
この意味において、先週の値幅限定や高値圏での保ち合いは出遅れたロング筋にとって、これからトレンドに便乗する好機を提供しているかもしれない。ロングスタンスを維持していきたい。