米ドル/円 日足
週間予想レンジ:111.00~112.50
メインストラテジー:押し目買い
・最早ラッシュ・クラッシュに対する反動、という位置づけではない
・米逆イールドカーブの影響は限定的、米株の堅調に追随しやすい
・ドルインデックスのモメンタムも限定、クロス円と整合性を示す
アナリシス:
先週は続伸、112円関門以上の大引けをもってブルトレンドへの復帰を示唆。週足では「スパイクロー」のサインを灯し、連続3週間続伸し、これから3月高値をブレイク、一段と上昇モメンタムを強めるでしょう。4月10日までの反落は110.84円前後に留まったところは大きく、4月1日大陽線を割り込めなかったため、その後の反転(上昇)につながったとみる。
3月安値を「ヘッド」と見なした場合、3月8日や4月10日安値を「ショルダーズ」と見なし、「ヘッド&ショルダーズ・ボトム」(三尊底)というフォーメーションを形成、先週後半の大幅上昇で同フォーメーションの上放れを果たしたとみる。この場合、2018年年末高値の113.70円をこれからのターゲットとして射程圏に収める。
繰り返し指摘してきたとおり、年初来のリバウンドは3月5日までほぼ順調に進んできた上、112円関門の打診をもって目標達成感が強かった。そのため、抵抗密集区域である112円台前半~同後半の高値ゾーンを一旦トライすることがあっても、本格的なブレイクは容易ではなかった。
従って、3月における反落は当然のスピード調整と見なせる属面も大きかった。しかし、調整が確認され、また112円関門の再回復もあって、もはや年初のクラッシュ・フラッシュに対する反動、といった位置付けではない。
換言すれば、年初安値から米ドルの上昇を息のないトレンドとして推進波と位置づけ、3月における調整もあって、より健全化された波動だとみる。ゆえに、今回こそ112円台前半~同後半の高値ゾーンをトライ、またはブレイクを果たすでしょう。
3月26日の大陽線は切り返しの基調を高め、翌日27日と「インサイド」のサインをほぼ形成していた。そのため、3月28日の「スパイクロー」&強気「リバーサル」をより鮮明化させ、4月1日の大陽線につながり、またその後の調整が4月1日安値を割り込めなかったことで一段とブル基調を強めた、という視点で捉える。
従って、ブルトレンドへ復帰や上昇モメンタムの再開があっても目先はなお始まったばかりであり、今週は上値追い展開もあり得る。米株の堅調を背景としてリスクオンの流れに加え、ドルインデックスのモメンタムがなお限定的なので、クロス円における均衡も保たれ、総じて円売りのモメンタムが加速される見通し。
豪ドル/円 日足
週間予想レンジ:79.50~82.00
メインストラテジー:押し目買い
・年初安値を起点とした上昇波は継続、一段と上値余地を拓く
・利下げ観測の浮上があっても豪ドル堅調、円売りの受け皿に
・米ドル/円の上放れとともに上放れ、整合性を示す
アナリシス:
先週は大幅続伸、大型保ち合いを打破、また上放れを確定、ブルトレンドをより鮮明化させ、また上昇モメンタムを強めた。既述のとおり、散々「ダマシ」のサインがあったものの、我々は1月後半から形成されてきた大型保ち合いを上昇途中におけるスピード調整と見なし、その見方が正しかったことも先週の続伸で証左された。
日足でみると、3月25日に一旦安値打診してから陽線で大引け、3月8日安値に対する一時の下放れが「ダマシ」であったことを証左、「フォールス・ブレイクアウトのサイン」を点灯したわけである。従って、大型保ち合いの継続がより鮮明になり、また77.42円割れを回避したところも大きかったので、その後の続伸や先週の上放れは当然視される。
というのは、繰り返し指摘したとおり、本来、3月8日にて一旦78.30円割れが確認され、ベアトレンドへの復帰、即ち続落につながる公算が大きかった。78.30円は2月21日大陰線の安値に相当し、同安値の割り込みをもって日足における「ダブル・トップ」といったフォーメーションを確立したと見ていた。その証左として2月安値77.42円割れの有無が注目されていた。
しかし、その後は逆に79円大台の回復を果たした。この場合、前記フォーメーションの成立を認めず、むしろ2月から大型変動レンジの形成が有力視された。そのため、先々週の続伸、また3月18日高値79.44円のブレイクをもって一段と大型保ち合いの継続を示した上、上放れの可能性を示唆していた。
故に、先週の上放れは当然の成り行きとみなされ、年初のフラッシュ・クラッシュに対する反動という位置づけではなく、年初来安値を起点とした上昇波の継続と認定され、ロング筋の優勢でしばらく上値トライしやすい環境に。
豪利下げ観測の高まりで本来豪ドル対米ドルでも「底割れ」を回避、中段保ち合いが継続されている。従って、米ドル/円の強気変動に連動して上放れを果たし、整合性を強めている。
先週提示していた80円心理大台や200日線の80.25円のブレイクを果たした以上、82円関門前後はターゲットとして浮上しよう。1月後半から先々週まで継続されたので、上放れが確認された以上、より強い上昇モメンタムの加速を覚悟する必要がある。