米ドル/円 日足

週間予想レンジ:111.00~112.50

メインストラテジー:押し目買い

・最早ラッシュ・クラッシュに対する反動、という位置づけではない
・米逆イールドカーブの影響は限定的、米株の堅調に追随しやすい
・ドルインデックスのモメンタムも限定、クロス円と整合性を示す

【図表1】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

アナリシス:

先週は続伸、再度陽線引きをもって地合いの堅調を一段と示唆。3月20日の大陰線、弱気「リバーサル」のサインを点灯しその後の続落につながったわけだが、同日高値111.69円の再回復が確認され、途中の調整(反落)が終了したことを示唆。

繰り返し指摘してきたように、年初来のリバウンドはほぼ順調に進んできた上、112円関門の打診をもって目標達成感が強かった。そのため、抵抗密集区域である112円台前半~同後半の高値ゾーンを一旦トライがあっても、本格的なブレイクは容易ではない。従って、3月における反落を当然のスピード調整と見なせる側面も大きかった。

しかし、前記のように、111円後半の再打診でスピード調整が完成されたことの証左となり、もはや年初のクラッシュ・フラッシュに対する反動、といった位置付けではないことが示される。

換言すれば、年初安値からドルの上昇を息のないトレンドとして推進波と位置づけ、3月における調整もあって、より健全化された波動だと見る。ゆえに、今回こそ112円台前半~同後半の高値ゾーンをトライ、またブレイクを果たすだろう。3月20日高値の回復、前兆として捉えるわけだ。

3月20日の「リバーサル」のサインが重要だったことは繰り返し指摘してきたように、米長短金利の逆転や3月22日の米株の大幅下落により一段と大幅続落した。しかしながら、結局米株の持ち直しと共に、円高の進行も限定的であった。110円関門前後のサポートが証左されたと見る。

3月26日の大陽線は切り返しの基調を高め、翌日27日と「インサイド」のサインをほぼ形成していたので、3月28日の「スパイクロー」&強気「リバーサル」をより鮮明化させたため、先週200日線のブレイクをもたらしたと見る。基調は一段と強化され、111円関門前後~111円台半ばは一転してサポートゾーンと化し、ここから上値トライしやすい環境に。

米株の堅調を背景としてリスクオンの流れに加え、ドルインデックスのモメンタムがなお限定的なので、クロス円における均衡も保たれるかと見る。均衡保ちながらも総じて円売りの傾向が続く見通し。

豪ドル/円 日足

週間予想レンジ:79.00~80.50

メインストラテジー:押し目買い

・年初安値を起点とした上昇波は継続される
・利下げ観測の浮上があっても豪ドル堅調、しばらく底固いか
・米ドル/円の上放れとともに上放れへ

【図表2】豪ドル/円(日足)
出所:筆者作成

アナリシス:

先週は続伸、大型保ち合いをより鮮明化させ、また地合いを一段と堅調させた。既述のとおり、3月第2週再度反落し3月第2週の陽線を「否定」、弱気「リバーサル」のサインを点灯した。しかし、3月第1週の値幅を超えず、前回提示した「インサイド」のサインをなお維持したため、先々週の陽線引きは有力なサインだった。

さらに、先々週は一旦77.54円の安値をトライしてから切り返してきたので、3月第1週の安値を一旦下回ったところもサインであった。そのため先週の続伸は当然の成り行きであり、また同結果であったと見る。

日足で見ると、3月25日一旦安値打診してから陽線で大引け、3月8日安値に対する一時の下放れが「ダマシ」であったことを証左し、「フォールス・ブレイクアウトのサイン」を点灯した。従って、大型保ち合いの継続はより鮮明になり、また77.42円割れを回避したところも大きかったので、先週の続伸を当然視される。
というのは、繰り返し指摘したように、本来、3月8日にて一旦78.30円割れが確認され、ベアトレンドへの復帰、即ち続落につながる公算が大きかった。78.30円は2月21日大陰線の安値に相当し、同安値の割り込みをもって日足における「ダブル・トップ」といったフォーメーションを確立したとされている。その証左として2月安値77.42円割れの有無が注目されていた。

しかし、その後逆に79円大台の回復を果たした。この場合、前記フォーメーションの成立を認めず、むしろ2月から大型変動レンジの形成が有力視された。そのため先週の続伸、また3月18日高値79.44円のブレイクをもって一段と大型保ち合いの継続を示した上、上放れの可能性を示唆した。

ゆえに、年初のフラッシュ・クラッシュに対する反動、という位置づけではなく、むしろ年初来安値を起点とした上昇波の継続と見なすべきだ。

豪利下げ観測の高まりで本来豪ドル対ドルでも「底割れ」を回避、中段保ち合いが継続される。従って、米ドル/円の強気変動に連動して中段保ち合いの継続に繋がったので、これからさらに連動を強め、上放れの可能性は高いと見る。80円心理大台はもちろん、200日線の80.25円の打診やブレイクを覚悟しておきたい。