女性の投資・運用の疑問に答える「2019年、お金力の磨き方」後編:2019年、マーケットはどうなる?今、投資を始めるべきでしょうか? 

2019年1月17日に東京・大手町で開催したマネックス証券主催、日経WOMAN協力のセミナー「2019年、お金力の磨き方」を開催しました
(本コンテンツは2019年1月17日開催セミナーの書きおこし記事です。セミナー内容を一部抜粋して掲載しています)。

第一部の「10年後、20年後の自分へのプレゼント 未来のお金の育て方・殖やし方~フィデリティの「退職準備の指標」~」の講演内容は以下の記事に記載しています。
講演(フィデリティ退職・投資教育研究所の野尻 哲史 氏)
一部前編:「未来のお金の育て方・殖やし方~退職後、年収の何倍の資産が必要になるか」
一部後編:「退職後、お金に対して不安にならないための3つのポイント」

第二部のスペシャルトークセッション「2019年、お金力の磨き方」では、野尻哲史さん、日経WOMAN編集長 藤川明日香さん、マネックス証券チーフ・アナリストの大槻奈那が皆さんからのご質問にお答えする形で実施しました。

二部前編:「女性の投資・運用の疑問に答える「2019年、お金力の磨き方」前編:老後資金ではなく、人生100年を考えた【現役投資】を上手にする方法は?」

Q:売買タイミング、損失がある場合の判断など、投資の注意点は?

野尻:「いつ売るか」というタイミングは非常に難しいと思います。ただ、その運用が退職後の資産をつくものであれば、売らなければいけない時とは、退職後に取り崩す時です。どんな時でも全てを一度に売却するということは考えないでください。

毎月積み立てしているならば、売却する時も定期的に売却していけばよいと思います。売却タイミングで感情に左右されないようにするというのが大事だと思います。

Q:2019年、マーケットはどうなる?

大槻:なかなか厳しい年になるのではないかと思います。どうしてもアメリカの動向に世界のマーケットは左右されてしまうことが多く、経済の成長が株価に反映されます。

2020年ぐらいからアメリカの景気は鈍化するだろう、日本は2019年10月から消費税率の引き上げ後から鈍化するのではないかと言われています。

 

そのため、景気が鈍化する前に利益が出ていれば売却してしまおうと考える投資家が増えると考えています。そのため、2019年半ばぐらいがマーケットのピークではないかと考えます。また、米中の貿易摩擦問題などの政治リスク等にも注意してほしいと思います。

 

マネックス証券作成

Q:2019年1月マーケット乱高下の原因は?この状態で投資を始めるべき?


大槻:マーケットに対して不安になっている方が多いと考えられます。以下の表の通り、日本はアメリカと比べると下支え要因多いため、相対的に日本が選ばれる可能性があると考えています。
 

マネックス証券作成

 

Q:投資・資産運用に関する情報収集の方法は?

藤川:実際に投資・資産運用しながら覚えていきました。あとは、日本経済新聞や自分のつくっている日経WOMANの企画を通して学んで情報収集をしていました。

野尻:日本経済新聞のみで情報収集していました。マーケットが荒れている環境の中で、不安とどう対峙したらよいのかなど、思いを巡らしていることのほうが多いですね。
大槻:経済情報は3つに集約できる。と考えています。

マネックス証券株式会社

 

Q:長期と短期の運用別に適した投資対象とは?

野尻: 私は短期でマーケットをほとんど見ていません。家計簿アプリは毎日確認していますが、私の投資行動が変わることはほぼないです。

毎月の積立投資を続けることが鉄則。私が、投資行動を普段と変えたのはブレグジットが決定された時とトランプ大統領就任の際などに買い増した程度です。

リーマンショック以前から積立投資をしていますが、現時点では含み損にはなっていません。

投資期間が長期でもマーケット動向を確認する必要はありますが、それによって投資行動を変えるのは、数年に1回あるかないかのため、積立投資を継続することが大事だと思っています。

Q:おすすめ書籍と勉強方法は?

野尻:
20代、30代向け:
『LIFE SHIFT』(リンダ・グラットン著/アンドリュー・スコット著/池村千秋訳/ 東洋経済新報社)

リカレント教育ではアメリカのものの考え方やアイデアが詰まっているのでじっくり読んでほしいです。

40代~50代向け:
『定年後のお金 寿命までに資産切れにならない方法』(フィデリティ退職・投資教育研究所所長 野尻 哲史/講談社)

40~50代になってそろそろ老後のことを考えたいなと思った時にぜひ読んでいただきたい本です。定年後にお金引き出し方(使い方)が分からないと資産形成はできないと60歳になってから気づきました。

藤川:
家計術から年金、iDeCo、NISAまで幅広く知りたい女子向け:
『読んだら必ず「もっと早く教えてくれよ」と叫ぶお金の増やし方』(山崎俊輔著/日経BP社)

日々の行動に関するアドバイスも参考になります。

老後のお金対策を中心に知りたい女子向け:
『定年男子 定年女子』(大江英樹、井戸美枝著/日経BP社)

「ほったらかし投資」のイロハを知りたい女子向け:
『お金は寝かせて増やしなさい』(水瀬ケンイチ著/フォレスト出版)

個人投資家目線での、資産運用が参考になります。

お金の価値観について小説で楽しみながら考えたい女子向け:
『老後の資金がありません』(垣谷美雨著/中公文庫)

人生後半に予想外の支出に次々と直面して準備していた老後資金が減っていく家族の奮闘物語です。

大槻:
投資を始めたい!コミック好きの女子向け:
『インベスターZ』(三田紀房著/講談社)

学生が投資をする、投資のイロハが詰まっている書籍です。含み損があってもなくても関係なく、これから先もあがる成長の余力があるか、上昇すると思うのかが大事であることがわかります。

仕事にもっともっと前向きになりたい!女子向け:
『カモメになったペンギン』(ジョン・P・コッター他/ダイヤモンド社)

・幸せな老後を考えたい!女子向け:
『LIFE SHIFT』(リンダ・グラットン著/アンドリュー・スコット著/池村千秋訳/ 東洋経済新報社)

100年生きるとするとどう生きていけばよいのかを改めて考えさせてくれる1冊です。


―――最後に一言ずつお願いいたします。

野尻:前向きに生きましょう。仕事も資産運用も。

藤川:行動することが一番学びになるので、セミナーに参加することも含めてぜひ、続けていただきたいと思います。

大槻:資産運用は余剰資金でやっていただきたいです。私の初めての投資は、余裕資金ではなかったので、一度痛い思いをしたことがあります。

また、今日お越しいただいた学びを生かしていただきたいです。本日はご参加いただきありがとうございました。