為替レートは、日経平均株価のように1本値ではありません。テレビやラジオでも「110円23銭から26銭で推移しています。」と読み上げていますね。常に同時に2つの価格があるのです。この2つのレートの差が「スプレッド」です。
これは円から米ドルやポンドなどの外貨に換える(円を売る)際、そして外貨から円に戻す(円を買う)際の「売値(Bid)」と「買値(Ask)」の価格差を指しています。
スプレッドは取引に発生するコスト
通常、買値(Ask)は、売値(Bid)よりも高いため、外貨を買う場合は、手持ちの外貨を売るときよりも高い価格で買うことになります。逆に外貨を売ろうとする場合は、売値が買値より安いので、より安い価格で売ることになります。
つまり、FX取引では、最初に取引をする際(外貨を買った時、売った時)にスプレッド分だけマイナスからのスタートとなるのです。これは取引をする上でのコストとなりますから、スプレッドは狭いほうが取引においては優位性が高いですね。
恵まれている日本のFX取引環境
日本の個人投資家のFXトレード環境は世界一といっていいでしょう。スプレッドは非常に狭く、米ドル/円の売買をスプレッド0.3銭でできるFX取引会社もあります。
スプレッド0.3銭というのは仲値に対して、買値が0.15銭高く、売値が0.15銭安くなっていることを言います。仮に1ドル=100円で動かない場合に買って売ったとします。すると、最低取引単位の1000通貨で考えると、差額3円分がスプレッドコストとなります。
これに加えて取引手数料がかかります。取引手数料の設定は各社いろいろです。しかし、取引手数料を無料にしているFX取引会社も多く、マネックス証券のFXPLUSでは、10,000通貨以上の場合、取引手数料は無料です。この場合、取引コストはスプレッドのみですので、FX取引における売買コストは非常に小さいのが魅力です。
私も当初、手数料が無料なのにどうやってFX会社は収益を得られるのか!?と疑問に思ったことがありますが、取引に発生するコストであるスプレッド分が収益源となるのです。FX業者も収益を上げなければならない中、狭いスプレッドを提供できるのは企業努力によるものです。