通貨ごとに異なるスプレッド
スプレッドは米ドル/円相場が最も狭く(タイト)、新興国通貨などは比較的広い(ワイド)ことが常です。
これは為替レートの変動率や流動性の違いによるものです。ドルや円は世界のインターバンク市場で頻繁に取引されるメジャーカレンシーであり、急激な価格変動リスクはあまり大きくありません。
しかし、南アフリカランドやトルコリラなどは取引量が少なく、オーダーが多くありません。その分レートが飛びやすく、価格変動が大きくなることが多いためスプレッドが広いのです。
また新興国ではありませんが、ポンドなど値動きが大きい通貨もスプレッドは広いという特徴がありますので、通貨ペア毎に取引コストであるスプレッド幅はきちんと調べましょう。
イベントや経済指標発表前後はスプレッドが変動することも
スプレッドについて、多くの場合「スプレッドは原則0.3銭」などという表記がされています。この「原則」というのは、時としてスプレッド幅は変動するということです。
注目度の高い経済指標などの発表前後は価格の変動が大きくなるため、発表前後にスプレッドが広がることもあります。米ドル/円相場の場合は、米国の雇用統計やFOMCなどのイベント前後にはレートが大きく動くため、スプレッド拡大に注意が必要です。
取引注文を成行(値段を指定しない)で出す場合は、スプレッド幅に注意してください。スプレッドが広がるということは取引コストが大きくなるということです。
日本は祝日に注意。流動性の低い時間帯はスプレッド変動しやすい
スプレッドは流動性が低い通貨ペアでは大きいと書きましたが、通常流動性の高い米ドル/円相場でも、クリスマス時期や、年末年始、ゴールデンウィークなど市場参加者が少なくなるイベントの東京時間の早朝時間帯には注意が必要です。
今年2019年1月3日にも米ドル/円相場では「フラッシュクラッシュ」と呼ばれる急激な円高進行が起こりました。円絡みの通貨ペアにおいては流動性が低い時間帯を投機筋が狙って仕掛けてくることが少なくありません。このように急激な価格変動が引き起こされると、スプレッドは拡大してしまいます。
今年のゴールデンウィークは10連休のため、日本の株式市場も10連休となります。しかし、FX市場は10連休になりません。世界の為替取引に日本の祝日は関係ないのです。日本勢が大型連休に入るということは流動性が低下するということですので、為替の急激な変動リスクは大きくなります。スプレッドもワイドになりがちですので祝日のトレードには注意してくださいね。