米ドル/円 日足

週間予想レンジ:109.00~111.00

メインストラテジー:レンジ取引

・フラッシュ・クラッシュに対する反動、一旦頭打ち
・米長短金利差の逆転や米株波乱につられた側面は大きいが、影響は限定的
・ドルインデックスの反騰、クロス円における円安効果を削る

【図表1】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

アナリシス:

先週は大幅反落、110円関門以下の終値をもって年初来の上昇を一服させた。もっとも、年初のフラッシュ・クラッシュに対する反動(上昇)が早晩一旦頭打ちになると推測されたため、反落自体はサプライズではなかった。

繰り返し指摘してきたとおり、年初来のリバウンドはほぼ順調に進んできたうえ、112円関門の打診をもって目標達成感が強かったので、抵抗密集区域である112円台前半~同後半の高値ゾーンを一旦トライがあっても、本格的なブレイクは容易ではない。従って、200日線に巡る攻防、20日の値動きをもって再度売り優先の展開と決定されたことも、抵抗ゾーンの再確認の結果と受け止める。

詳細をみていくと、3月5日の高値、3月1日の高値をわずか更新したものの、その後3月8日まで反落、本来先頭打ちのサインとして「フォールス・ブレイクアウト」というサインの点灯が認められた。

これから2月15日安値110.25円割れをもって証左されるところだった。が、3月14日の大陽線の出現で一転して3月5日高値112.12円を再打診する蓋然性があった見とおしも前回に既述したとおりであった。

というのは、3月8日~同13日は再度「インサイド」のサインを点灯し14日の大陽線をもって上放れを果たしたため、再度高値打診があってもおかしくなかった。つまり3月14日の大陽線は「ダマシ」であったので、その後に大幅続落に繋がったわけだ。

3月20日の大陰線は「弱気リバーサル」のサインを点灯してから一気に8日安値を更新、前記「ダマシ」のサインを証左した上、22日の大幅続落に繋がり、110円関門以下の大引けをもたらした。

3月20日の「リバーサル」のサインが重要だったとはいえ、本来110円関門さえ守れば、一段続落を回避できる見通しもあったが、米長短金利の逆転や22日米株の大幅下落はリスクオフの流れを強め、円の一段上昇を促した。

既述のように、先々週まで米ドル/円の堅調また続伸は主要クロス円における円高圧力の緩和に連動する側面は大きかったため、先週末ユーロ対ドルは一気に1.12関門を一突っ込み、ユーロ対円も大幅なつれ安となり、受動的な円高は再度表れたところが大きい。

そうなると、当面反落が続き、109円関門をトライしてもおかしくなかろう。が、1月31日安値108.49円を下回らない限り、本格的なベアトレンドへ復帰した、といった判断も性急であろう。

中段保ち合いの形成や継続が有力視されるもっとも大きな要素は日銀政策に関する思惑であろう。日銀景気判断の下方修正、緩和拡大の思惑につながり、明白なリスクオフの材料が浮上しない限り、日米政策格差はトレードのテーマとしてしばらく定着する公算が大きい。従って、米ドル/円のV字型回復は一旦頭打ちになったものの、中段保ち合いを経てより緩やかな上昇トレンドにつながる公算が大きく、当面レンジ取引に徹したい。

豪ドル/円 日足

週間予想レンジ:77.50~79.00

メインストラテジー:レンジ取引

・年初のクラッシュに対する反動、なお続く可能性
・利下げ観測浮上したものの、豪ドルは底割れを一旦回避
・米ドル/円次第なので、ベアトレンドへ転換するのも早計

【図表】豪ドル/円(日足)
出所:筆者作成

アナリシス:

先週は再度反落、先々週の陽線を「否定」、弱気「リバーサル」のサインを点灯したが、3月第1週の値幅を超えず、前回提示した「インサイド」のサインをなお維持、大型保ち合いの継続を示唆。但し、保ち合いを継続させる前提条件として、やはり77円台前半のサポートを守れるかどうか、また一時の割り込みがあっても、本格的な「底割れ」を回避できるかどうかにあるでしょう。

というのは、前々回指摘したとおり。本来、3月8日にて一旦78.30円割れが確認され、ベアトレンドへの復帰、即ち続落につながる公算が大きかった。

78.30円は2月21日大陰線の安値に相当、同安値の割り込みをもって日足における「ダブル・トップ」といったフォーメーションを確立したとみていた。その証左として2月安値77.42円割れの有無が注目されていた。

しかし、その後逆に79円大台の回復を果たした。この場合、前記フォーメーションの成立を認めず、むしろ2月から大型変動レンジの形成が有力視されたため、先週の反落があっても、同許容範囲とみなされる。

つまり、2月21日~3月6日で形成された「インサイド」のサイン、またその後の一時の下放れが「ダマシ」であった可能性は大きく、3月22日再度大きく反落したものの、忽ち前記「ダマシ」を再度否定するには至らないかと思われる。

反面、再度上値トライに失敗、また再反落してきたため、大型保ち合いの一環と認定しても、前記メインサポートゾーンの維持が前提条件となってこよう。77円関門~77円台前半のサポートゾーンが試練される、また下放れの有無が注目される。一時の下放れを含め、下値リスク拡大の可能性に要注意。

豪利下げ観測の高まりで本来豪ドル対ドルでもすでに大幅な下値余地を拓いたはずだったが、先々週の切り返しで「底割れ」を回避、先週再度上値トライに失敗したものの、中段保ち合いの継続が想定される。従って、これからの米ドル/円次第の公算だが、再度「底割れ」を回避できれば、むしろ中段保ち合いの継続につながり、また既述のように、上放れの可能性を高めるでしょう。

ただし、利下げ観測が消えない以上、豪ドルの反騰が続いても上値限定されるでしょう。また79円関門の再回復があっても、時間がかかる見とおしで、あくまで底固めが先行される公算が大きい。