米ドル/円 日足
週間予想レンジ(3/11週):109.50~111.50
メインストラテジー:戻り売り
・フラッシュ・クラッシュに対する反動は一旦終焉
・クロス円における円高圧力、米ドル/円に波及
・110円関門は分水嶺、割り込めば一段と円高傾向に
アナリシス:
先週はわずかな高値更新を果たしてから一転して反落、再度200日線割れで年初のフラッシュ・クラッシュに対する反動(切り返し)の一旦終焉を示唆、しばらく円高傾向を強め、反落継続の公算だ。
繰り返し指摘してきたとおり、年初来のリバウンドはほぼ一本調子に継続し、また112円関門の打診をもって目標達成感が強かったので、抵抗密集区域である112円台前半~同後半の高値ゾーンを一旦トライがあっても本格的なブレイクは容易ではない。
年初からの切り返しをメイン変動と見なす場合でも、何等かの形でスピード調整を図る公算が大きかったので、一旦頭打ち、また反落はむしろ当然の成り行きとみる。
3月5日の高値は3月1日の高値をわずかに更新したものの、その後反落が続き、先週末一旦110円台後半をトライした。ゆえに、頭打ちのサインとして「フォールス・ブレイクアウト」というサインの点灯が認められ、これから2月15日安値110.25円割れの有無が焦点となってこよう。割り込めば、一段と反落の余地を拓き、109円台前半の打診に繋がる見通し。
注意していただきたいのは、米ドル/円の頭打ち、また反落は主要クロス円における円高圧力につられた側面が大きいこと。欧州中央銀行(ECB)のハト派政策のリリースでユーロ対ドルは急落、ユーロ対円もつれ安となり、受動的な円高は米ドル/円の頭を押さえ、また反落をもたらす、といった構造が透けて見える。
ポンド/円や豪ドル/円なども揃って年初からの切り返しを一旦終焉させ、これから反落する値動きを強めていくと想定されるなか、米ドル/円の一段反落も推測されるわけだ。
その上、年初来の米ドル/円の切り返しは米株との連動性も強かったから、米株の一旦頭打ちが鮮明になりつつあり、米株の調整と共に反落を強める市況も警戒しておきたい。米中貿易摩擦や英EU離脱など問題に関する楽観的すぎた思惑の剥落があれば、一時にせよ、円高の傾向やスピードが強まれる公算が大きい。
豪ドル/円 日足
週間予想レンジ(3/11週):76.50~79.00
メインストラテジー:戻り売り
・年初のクラッシュに対する反動は一旦頭打ちされた
・利下げ観測浮上、豪ドルのベアトレンドを想定
・78.30円割れで下値余地を拓き、日足における「ダブル・トップ」を確定
アナリシス:
先週は反落、78.30円割れをもって頭打ち、またベアトレンドへの復帰を示唆。78.30円は2月21日大陰線の安値に相当し、同安値の割り込みをもって日足における「ダブル・トップ」といったフォーメーションを確立したとみる。ここからの焦点は、やはり2月安値77.42円割れの有無になるが、割り込む蓋然性が大きい。
もっとも、先週でも強調したように、早期に80円心理大台の回復なしでは、年初のフラッシュ・クラッシュに対する反動はすでに一服した公算が大きかったので、先週の反落は同シナリオを証左したに過ぎない。
重要なサインとして、2月21日大陰線の意味合いを強調していたのも既述のとおり。同陰線は「弱気リバーサル」のサインを点灯したので、早期同大陰線の意味合いを「否定」、即ち高値更新しないと売り圧力の増加を避けられなかった。先週は同日の安値を割り込み、頭打ちを確認するサインとして重視され、また有力であった。
というのは、2月6日の大陰線に関する見方と同様、2月21日の大陰線は上値抵抗や売り圧力を示し、また日足では弱気「リバーサル」のサインを点灯していたので、2月6日大陰線の意味合いを一段と証左したと言える。
この場合、当然のように、「ダブル・トップ」の可能性が大きいのも、同日安値を割り込んでいたところに起因していた。更に、3月6日まで続く保ち合いは事実上2月21日大陰線と「インサイド」のサインを形成していたため、その後の下放れをもって決定されたところも見逃せない。
従って、3月8日一旦77.72円の安値をトライしてから陽線で大引けしたものの、途中のスピード調整にすぎず、前記「インサイド」の下放れに鑑み、早晩77.42円の打診に繋がるでしょう。
再度77.42円割れがあれば、日足では「ベッド&ショルダーズ・トップ」というフォーメーションの形成も想定され、一段反落余地を拓くかと推測される。このような想定は、前記「ダブル・トップ」の想定と矛盾しないから、もう1つの視点として据え置きたい。
豪利下げ観測の高まりで豪ドル/米ドルはすでに大幅な下値余地を拓いており、米ドル/円の頭打ちもあって、豪ドル/円のベアトレンドへの復帰を促すだろう。ただし、短期スパンにおけるベアトレンドの進行、中長期スパンでは調整波という位置づけの可能性も大きいので、スパンによって見方の相違に注意が必要かと思う。
いずれにせよ、77.42円の打診を確認し、割り込みの有無をもってこれからの市況を測れると思うが、前記のように、更に下放れの公算が大きいから、油断できない。
仮に前記推測が成立される場合、概ね75円台半ばの下値余地を測られるが、反落自体はあくまで修正的な値動きとみられ、所謂「二番底」の形成と位置づけられる。同見方は米ドル/円の見通しとも整合性を持ち、中長期スパンにおける重要なポイントと見なす。