東京市場まとめ
1.概況
本日の日本市場はドル円で111円台後半まで進んだ円安を好感して大きく反発しました。日経平均は104円高の21,490円で寄り付くと10時45分に222円高まで上げ幅を広げ21,600円台を付けましたが、21,600円をわずかに上回ったところで一旦上値が押さえられると前場は189円高の21,574円で引けました。しかし、日経平均は後場寄りから一段高となり、後場は終始21,600円台での推移となりました。244円高の21,629円で後場をスタートした日経平均は12時55分に256円高の21,641円まで買われ本日の高値を付けた後も21,600円台前半で推移すると結局217円高の21,602円で取引を終えています。
こうしたなか新興市場も堅調で、東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均がともに反発となっています。
2.個別銘柄等
マーケット全体が大きく上げるなか昨日に下げがきつかった銘柄の一角に買い戻しから大きく上昇するものがみられました。昨日に2.9%安だった資生堂(4911)が3.6%高となったうえ、3.6%安だった太陽誘電(6976)が4.3%高、5.5%安だったSCREENホールディングス(7735)が3.4%高、3.2%安だった安川電機(6506)も2.7%高となりました。
また、投資判断や目標株価の引き上げに大きく反応する銘柄もみられました。日本水産(1332)は目標株価の引き上げを受けて4.4%高となり、ナブテスコ(6268)とネットワンシステムズ(7518)は投資判断と目標株価の引き上げを好感してそれぞれ3.9%高、5.7%高となっています。さらに昨日の引け後に発表した決算に反応したのがHIS(9603)で、単価の高いヨーロッパ向けの海外旅行事業が好調だったことなどで第1四半期(2018年11月-2019年1月期)の営業利益が前年同期比47%増の大幅増益だったことから2.8%高となりました。
そのほか材料が出たところでは、パーキンソン病の関連薬を米国で再申請したと発表した協和発酵キリン(4151)が3.8%高となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
今週の日経平均は昨日まで節目の21,500円を挟んで一進一退でした。しかし、本日は21,500円をしっかりと上回り21,600円台に乗せてきました。このため来週の相場展開に期待が高まりますが、仮にもう一段の戻りを試す動きとなった場合には昨年10月初めの高値と12月下旬の安値の半値戻しの水準(21,700円近辺)を上回ることができるかが焦点となりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)