英ポンド/円 (141.70~155.20) 2月28日~3月6日まで

アナリシス:

皆さん、こんにちは! 2月の最終週に入りましたが、未だ英国のEU離脱に関する方向は暗礁に乗り上げ、見通しが立たない状況と言えそうです。英国下院議会では、EUと協議した離脱案が3月12日に議会で承認されない場合、短期間の離脱延長や合意なき離脱の賛否を議会で採決にかける方針を示し、27日に賛成多数で可決されました。

メイ首相は当初、離脱延期には強く反対していましたが、ここにきて離脱延期をほのめかす発言が増えていきました。また、昨日フランスのマクロン大統領は、英国の離脱延期について延期の明確な目的が示された時のみ受け入れが可能との見解を示しました。またドイツのメルケル首相はEU離脱交渉により多くの時間を求めたとしても拒むことはできないとの考えを示しました。

このような流れを受けて、ポンドは上昇しており、上げ幅拡大となっています。

ここで、英国内の各党の主張のおさらいです。最大野党の労働党は、関税同盟には無期限で残留することやEU単一市場との密接な関係を含むブレグジット案を政府が受け入れるよう要請しましたが、否決されました。

スコットランド国民党による、いかなる状況下でも合意なき離脱を回避するという動議も否決されました。

こうしたEU離脱延期のニュースに加え、ポンド利上げ観測も高まっており、3月12日までは延期濃厚との報道にマーケットは買いで反応が出そうな模様です。

他方、米国は利上げに当面慎重な構えを見せ、据え置きがほぼ確実とされています。そのような状況下、バランスシート縮小の年内停止に向けての動きがあるとパウエルFRB議長は27日に下院金融委員会で証言しています。

これにより、米国株は堅調な動きを見せる想定ではあるものの、ドルの方向性は下目線で見ています。

それでは、月足チャートからです。

【図表1】英ポンド/円(月足)
出所:筆者作成

月足トレンドレス中段。このまま+2σ方向まで上昇するかどうかの場面です。月足ベースでの下げ余地は−2σ付近までと見ます。

続いて、週足チャートです。

【図表2】英ポンド/円(週足)
出所:筆者作成

トレンドレス上段。離脱延期の報道を受けて、4週間のもみ合いを抜け、今週一気に上段まで上がってきました。このまま149.70円付近まで上昇してくるかがポイントです。

最後に、日足チャートです。

【図表3】英ポンド/円(日足)
出所:筆者作成

短期的にはアップトレンド第1波のバンドウォーク中となります。このまま、押し目を形成して上昇するかどうかの場面です。

向こう1週間の重要指標です。

2月28日(木)
22:30 米・GDP速報値

3月1日(金)
19:00 EUR・消費者物価指数速報値
22:30 米・個人消費支出

3月2日(土)
0:00 米・ISM製造業景況指数

3月5日(火)
22:30 米・新築住宅販売件数

3月6日(水)
0:00 米・ISM非製造業景況指数
22:15 米・ADP雇用統計

以上の分析から、エントリーポイントとしては以下のとおりです。

予想レンジ:141.70~155.20

メインストラテジー:

買いをするなら、
・4時間足アップトレンドのMA、もしくはミドル反発で順張りを根拠にエントリー。
・日足アップトレンMA、もしくはミドル反発で順張りを根拠にエントリー。
 ※上記の2つのタイミングは現在の段階では価格未定となります。
・143.00円~143.40円の日足トレンドレス下段逆張りを根拠にエントリー

売りをするなら、
・149.40円~149.70円の週足トレンドレス上段逆張りを根拠にエントリー