東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は小幅に続伸となりました。昨日の米国市場でナスダック総合株価指数が大幅高となったこともあって23円高の20,797円と小幅に上昇して寄り付いた日経平均は上げ幅を広げ10時15分に156円高の20,929円まで買われました。しかし、10時半ごろから上げ幅を縮めるなか10時45分に2016年2月以来およそ3年ぶりの低水準に落ち込んだ1月の財新中国製造業購買担当者景気指数(PMI)が発表されると中国の景気減速が意識されマイナスに転じ31円安まで下落しました。
その後66円高まで持ち直した日経平均ですが徐々に上げ幅を縮めると昨日終値を挟んで小幅に揉み合う展開となり結局14円高の20,788円で取引を終えています。一方でTOPIXが小幅に反落となったほか、新興市場の東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均も反落となっています。
2.個別銘柄等
決算発表が本格化するなか決算に大きく反応する銘柄がみられました。昨日の引け後に決算を発表した村田製作所(6981)は通期の業績予想を据え置きましたが、第3四半期の営業利益が前年同期比55%増となり通期予想に対する進捗率が8割以上となったことで上振れ期待が高まったことに加え、3月末時点の1株を3株にする株式分割を発表したこともあり8.5%高と急伸しました。
また、通期の営業利益の見通しを上方修正したSCSK(9719)も8.9%高と急伸したほか、自社株買いを発表したハウス食品グループ本社(2810)も8.6%高と大きく上げています。
一方でニンテンドースイッチの2019年3月期の販売台数予想を2000万台から1700万台に下方修正した任天堂(7974)が9.2%安となりました。さらに通期の業績予想を下方修正したことで一転して減益予想となったZOZO(3092)が4.7%安となり、通期の利益の見通しを下方修正した味の素(2802)や日立金属(5486)もきつい下げとなりました。味の素が10.1%安、日立金属が11.7%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は一時150円以上上昇し20,900円台に乗せる場面もありましたが失速してしまいました。このように日経平均は節目の21,000円を前に上値の重い展開が続いています。したがって来週も21,000円を回復できるかがポイントとなりそうですが、21,000円を回復すれば大きく水準を切り下げる一目均衡表の薄い雲を抜けてくる可能性もあり、仮にそのような展開となれば上値余地が広がることになりそうです。
なお、今晩は米国で雇用統計やISM製造業景況感指数といった注目度の高い経済指標の発表が予定されており、マーケットの反応が注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)