老後資金に大きな影を落としかねない教育費

インフルエンザにかかってしまいました!記憶の限り、社会人になってかかったことはありません。幸い、噂に聞いていた凄まじい症状はなく、解熱しましたが、ますます猛威を振るっていますので、皆様気を付けてくださいませ。

時を同じくして、受験シーズンです。こうした大事なイベントを、なぜ大雪が降ったり、インフルエンザが猛威を振るう時期にするのか、と毎年必ず話題になっていますよね。大学の9月入学は少しずつ増えているようですが、小中高校を含めては今のところ変わる気配はありませんね……。世界的には4月入学はとても少ないのにもかかわらず、です。

私事ですが、海外に住む姪も受験のために一時帰国しました。身近で見ていて、その大変さ、そのお金のかかることには、FPとして日頃から教育費の大きさを把握してはいるものの、あらためて感じ入りました。

今回はその教育関連費について取り上げたいと思います。

実はこれ、その時だけで済まず、後々自身の老後資金にズシリと影を落としてしまうことになりかねないものですので、くれぐれもご注意いただきたいです。

教育関連費用(資金)は住宅関連資金、老後資金と並んで「人生の3大支出」と言われます。いずれも長期かつ合計で大きな金額が必要とされるものですが、この中で一番時期がはっきりとわかっているのが教育資金の出番です。住宅と老後については個人差がありますので。

さて、その教育費、平均すると総額どのくらいだと思いますか?

文部科学省による平成28年度「子供の学習費調査」によると、

幼稚園3歳から高等学校第3学年までの15年間について、各学年の学習費総額を単純合計すると、全て公立に通った場合では約540万円(前回調査結果は約523 万円)、全て私立に通った場合では約1,770万円(同約1,770万円)である

とあります。

そして日本政策金融公庫の平成 29 年度「教育費負担の実態調査結果」によれば、高校入学から大学卒業までに必要な入在学費用 は、

高校卒業後の入学先別にみると、私立大学に入学した場合の累計費用(入在学費用)は、976.2万円、理系で1,045.9万円となっているのにたいし、国公立大学では741.3万円となっている

となります。

無理や背伸びをせず早めに長期資金計画を

学校関係費用だけでも、幼稚園から大学までの総額平均は以下の通り。

・全て公立:およそ1,043万円、
・全て私立(大学は理系):およそ2,578万円

他にも自宅外通学であったり、留学、大学院に行ったりすれば、けっこうな金額が上乗せされてきます。

上記は15年間の総額平均ですが、15年かけて均等に払えばいいわけではありません。入学金や受験費用など一時にまとまって必要になる時があり、その間、住宅購入を考えたりすれば、2大支出が同時期となります。

どうにか、子どもの教育費、住宅ローンのやりくりをして……とふと50代に差し掛かり、前述したように3つ目の「老後資金」が全く備えられていないことに気が付き愕然となるとがあり得ます。

なにより大切なのは、予算は多めに(足りなくなって慌てないように!)、早めに長期資金計画をもつこと、けっして無理や背伸びをしないこと。

その時にお金があるからとどんどん使ってしまうと、老後に困ることにつながりかねないことを意識しておきましょう。