米ドル/円 日足
週間予想レンジ(1/28週):109.00~111.00
メインストラテジー:レンジ取引&押し目買い
・フラッシュ・クラッシュに対する反動が続く
・リバウンドの途中と位置づけ、上値余地なおあり
・一方、110円関門を上回れるかどうかは肝心
アナリシス:
先週110円関門をトライしたものの、小陰線で大引け、先々週の大幅切り返しに比べ、モメンタムの低下が見られたと思われる。一方、切り返す途中のスピード調整という視点では、先週の値動きはむしろ蓋然性が大きく、切り返しの終焉を判断するには性急であろう。
もっとも、18日高値から反落が先行し、22日安値109.14円を一旦トライしたものの、その後の切り返しをもって守っていた。17日、18日の続伸、8日高値109.09円のブレイクを果たしたため、22日の安値はレンジ変動の上方修正を示唆していた。
4日安値107.51円や8日高値109.08円で限定された変動レンジの上放れが17日にて確認されたわけなので、元レンジ幅の「倍返し」の計算では110円台半ば~同後半へ続伸する余地ありと思われる。
一方、23日の罫線は「スパイク」のサインを点灯、18日~22日で形成された「インサイド」の上放れを一旦果たしたものの、続伸できず比較的に安く大引けしたので、「ダマシ」の可能性も示唆された。
とはいえ、その後は再度「インサイド」のサインを点灯、23日罫線が示した「スパイク」の指示を和らげた上、これから再度上放れを果たす場合はやはり上値打診を継続するだろう。
前記のように、倍返しの途中なので、23日高値の更新があればむしろ上昇加速のサインと化す可能性もある。同じ理屈で、8日(同じくスパイク)高値のブレイクが確認された後の値動きをもって証左され、また22日安値109.14円を割らない限り蓋然性は大きいと思われる。
より長い視点では、2015年高値を起点とした大型トライアングル型保ち合いが仮に現時点までなお継続されているとみる場合、やはり2018年3月安値を下回るかどうかをひとつの基準として判断しやすい。同安値割れを回避しているところ、大型保ち合いの基盤がなお維持され、2日罫線で形成された「スパイクロー」のサインが大きな証左となろう。
換言すれば、「スパイクロー」のサインが証左されたからこそ、切り返しがしばらく継続される公算が大きい。年明けからの急落、先週の110円関門トライがあったことに鑑み、再度続伸して111円関門のトライにつながってもおかしくなかろう。
反面、終値をもって109円関門を下回れば、切り返しは一旦終焉し107後半へ戻る公算が高まるでしょう。この場合は株の急落など外部要素の悪化が伴う可能性が大きいため、米中対抗や英国のEU離脱などと絡むファンダメンタルズ上のサプライズが前提条件となるであろう。
豪ドル/円 日足
週間予想レンジ(1/28週):78.00~80.50
メインストラテジー:レンジ取引&押し目買い
・年初のクラッシュに対する反動が続く
・79円前後の抵抗を上回れば、切り返しの余地を一段と拓く
・2016年安値と「ダブル・ボトム」を形成、より長いスパンの基調を決定
アナリシス:
先週はだいぶ保ち合いしたものの、25日大陽線をもって強気「リバーサル」のサインを点灯、週足では「スパイクロー」の陽線を形成、切り返しの継続を示唆。換言すれば、先週の保ち合い、切り返す途中におけるスピード調整と見なした場合は、むしろこれからの続伸をより健全化させた可能性が大きい。
先週最後の「リバーサル」があったからこそ、これから79円関門の打診をもって重要な抵抗ゾーンを試すでしょう。同抵抗ゾーンは2018年9月、10月の「ダブル・ボトム」の安値水準だったので、先週の戻りで一段と上値余地を示し、年初のフラッシュ・クラッシュで作った「スパイク」のサインがより鮮明に。
もっとも、既述のように、同フラッシュ・クラッシュは年始の商い薄があって、米ドル/円のクラッシュがもたらした値動き。一気に2016年安値を一旦割り込み、米ドル/円以上のクラッシュを演じたが、急落時の値段はそのほとんどがウェリントン取引時間帯において数分間の出来事で、その値動きのすべてを「正当化」できない。
その上、2日の大陰線、値幅の大きさで典型的な「長大線」を形成、安値トライしてから急速に反発してきた上、比較的に高く大引けしたから、「スパイクロー」のサインも点灯していた。その後先週まで連続「三連陽」の週足を形成、同サインの効き目を証左、切り返し自体は同サインの指示通りなら、これからも大きな役割を果たすとみる。
実際、2016年安値を一旦割れとはいえ、同日安値と大引け値の間で2.5円程度の差があって、安値更新自体が「フォールス・ブレイクアウト」、即ち「ダマシ」だった可能性が大きかった。79円関門前後までの続伸は同可能性を証左する値動きとなり、長期スパンにおける底打ちを示唆したとみる。
この意味では、先週末の切り返し、また再度79円関門試しは重要なサインであった。既述のように、2018年10月安値自体も一旦9月安値の下放れを見せてから切り返したので、もともと「フォールス・ブレイクアウト」のサインを点灯していた。そのため、同安値が更新された以上、しばらく一転して抵抗と化す可能性が大きかった。
その結果、先週の保ち合いを経てこれからブレイクする蓋然性が強化され、またブレイクをもって上値余地を大きく拓くであろう。この場合、一旦80円心理大台のブレイクを果たし、同半ばや後半の打診があってもおかしくなかろう。
豪ドルの切り返しが先週末の反騰を主導したことに鑑み、これから豪ドル/円の上値ブレイクがあれば、引き続き豪ドル/円の切り返しに依存する側面が大きいかとみる。ただし、米ドル/円の早期反落なしも前提条件となるから、クロス円の堅調は逆説的に米ドル/円の支えになる効果も無視できないとみる。