基本的にリスクオフが緩和される方向にある。過度なリスク回避の機運が後退すれば円高懸念も薄れ日本株にとって投資環境の改善につながるのだが、実際には日本株の上値はそう軽くならない。

米政府機関の一時再開(2月15日まで)は好材料だし、BREXITも期限延長のムードになってきた。29-30日開催のFOMC(米連邦公開市場委員会)でもハト派スタンスが確認できれば米国株の追い風になる。しかし、WSJ紙の観測報道の通り、バランスシート縮小のペースを見直す思惑が浮上、ドル安円高に振れるリスクがある。言うまでもなく日本株の重石だ。決算発表が本格化する時期に円高は避けたいところだ。

日米ともに決算発表が本格化する。米国では、キャタピラー、ボーイング、アップル、フェイスブック、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コム、エクソンモービル、シェブロンなど主力銘柄の決算発表が相次ぐ。日本でも4-12月決算発表の前半戦ピークが来る。中国景気の減速を理由に下方修正しても、それは織り込み済みという株価反応が続いている(安川電機、日本電産、ハーモニック・ドライブ・システムズ)ため、ダウンサイドよりアップサイドのほうが可能性は大きいと思う。ただ、それは日本市場の話であって、米国ではどうなるか。アップルはすでにリアクション済みだが、キャタピラー、ボーイングあたりはどうなるか、注目である。

月末月初とあって経済指標の発表も目白押し。アメリカでは消費者信頼感指数、ADP全米雇用リポート、10-12月期GDP速報値、個人所得・支出、雇用統計、ISM製造業景況指数などが発表される予定だが、GDPなど政府の統計は政府機関閉鎖の影響で予定通りに発表されるか不透明。中国では国家統計局の製造業PMIが発表される。

1月30~31日には劉鶴副首相が訪米し、米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表らとの貿易協議に臨むことも予定されている。ムニューシン財務長官からはポジティブなコメントが出ているが、下駄を履くまでわからないので、楽観は禁物か。

予想レンジは2万700円~2万1300円とする。