中国株が反発した3つの材料

新年明けましておめでとうございます!昨年は散々だった中国株ですが、今年は大きな回復が期待できると見ています。

引き続き調整が続く中国株ですが、2019年第1週は幸先の良いスタートとなったと思います。もっとも前週末比では小幅な反発であり、しかも1月4日(金)の上昇がなければ反発にもならなかったのですが、反発した材料が良いと思います。

反発の材料は大きく分けて3つあります。まず1つは1月7~8日に北京で米中の次官級の通商協議が行われることが発表され、米中通商問題の解決への期待感が膨らんだことです。

やはり、中国経済と中国株が本当に立ち直るには米中通商問題は良い方向に向かう必要がありますし、米中共に通商問題の悪化はお互いの経済・政治に大きく影響することがわかってきました。歩み寄りの姿勢も感じられるところで、何らかの良い結果が出てくることに期待したいところです。

2つ目の材料は2018年12月のCaixin中国サービス業景況感指数が53.9となり、予想の53.0や11月実績の53.8を上回ったことで中国経済の失速懸念が後退したこと、3つ目は李克強首相が財政投資拡大と金融緩和について指示したと報道されたことです。そして実際に、中国の預金準備率は1ポイント引き下げられています。

中国としてもこれ以上の景気減速は容認できないところと思いますので、金融緩和と財政投資の拡大は今後もさらに進められるでしょう。もちろんこれは中国経済や中国株にとって大きな下支え材料となります。

今後中国株の下落は限定的か

一方で株価を見てみると、中国株は足下で下げ渋っているように見えます。世界の株式市場は依然として米中貿易戦争や金利スタンスの材料ニュースによって大きく下がることが見られます。しかし、こうしたニュースには新鮮味がなくなりつつあり、一足先に大きく下げてきた中国株は「またその材料か」という感じで、反応は徐々に薄くなっている様子です。

香港ハンセン指数を見ると、長期でレジスタンスラインとなりやすい200週移動平均線で下げ止まっている様子であり、条件が揃えば反発できるところまで下がってきていると思います。

加えて言えば、米国のパウエルFRB議長が「今年は柔軟な政策決定が可能」「FRBは忍耐強く臨む構えだ」との認識を示したこともプラス材料です。これは米国の政策金利が予想よりも上昇ペースが緩やかになる(あるいは上昇が止まる)ことを意味します。

このような状態になると、これまで米国に環流していた資金の流れが、徐々に新興国へ戻る可能性が出てきます。もちろん通貨を米ドルにペッグしており、政策金利を米国に連動する必要のある香港経済にとってもプラスとなります。

以上、日本の株式市場はスケジュール的に大発会が大幅安となってしまい、日本の株式市場だけを見ていると、あまり良くない出足となった2019年ですが、中国株は内容的に良いスタートを切れたのではないかと思います。

もっとも、先月に世界の株価は大きく下げてしまったこともあり、株価が戻れば戻り売り圧力も大きいと思えるところでV字回復は望めないところです。ニュース1つで状況が変わってしまう不安定な状況であることにはかわりありませんので、慎重な姿勢で相場に臨むことは必要です。

仮に今後株価が下がったとしても、先に株価が下がってきた中国株の下落は限定的ではないかと思います。むしろ、米中通商協議の状況次第で、株価が上昇してしまうリスクの方を考慮しなくてはいけないタイミングとなっているのではないかと思います。