東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は71円安の2万1148円と小幅に続落しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。中でも東証2部指数は1.9%安、マザーズ指数は2.7%安と特に大きく下落しています。
昨日の米国市場でダウ平均は一時500ドル以上下げたものの終値では小幅に上昇しました。こうした中日経平均は53円高の2万1273円で寄り付きました。日経平均は寄り付きがほぼ1日の高値になるとすぐにマイナスに転じ一時は157円安まで下げ幅を広げました。米財務長官と中国の副首相が貿易問題をめぐり電話協議をしたと伝わると日経平均は急速に下げ幅を縮めてプラスに転じました。しかし寄り付きの水準で頭を押さえられると再びマイナスに転じて前場を119円安で終えました。日経平均は後場に入ると徐々に下げ幅を縮めましたがプラスに転じることはできず結局71円安で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆5012億円となりました。
東証33業種は情報通信業、空運業、小売業、不動産業、食料品、電気・ガス業のディフェンシブセクターを中心とした6業種のみ上昇しました。一方で27業種が下げ中でも石油石炭製品が7%近い大幅安となったほか、鉱業、機械、金属製品、パルプ・紙などが特に大きく下げています。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は下げた銘柄が多くなりました。売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)が2.5%高となったほかファーストリテイリング(9983)やソニー(6758)も上昇しましたが、その他の銘柄はほとんどが下落しました。任天堂(7974)、トヨタ自動車(7203)、武田薬品(4502)、三菱UFJ(8306)、昭和電工(4004)、三井住友(8316)、キーエンス(6861)がいずれも下落しました。
その他材料が出たところでは、精密金型などを手がける三井ハイテック(6966)が19%近い大幅安となりました。昨日発表した第3四半期で営業利益が前年同期比90%近く減少したほか、通期の業績予想を下方修正したことが嫌気されました。一方で人気ゲームモンスターハンターシリーズの新作を2019年秋に配信すると発表したカプコン(9697)は2.1%高としっかりでした。
VIEW POINT: 明日への視点
日本市場はどうにも弱い展開が続いています。売買代金はそれほど増えておらずセリングクライマックスのような状況にもなっていないことから、引き続き一段の下げに警戒を払っておくべき局面だと考えています。
(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)