米国の中間選挙、国内では4-9月期決算発表という大きなイベントを通過し、引き続きもみ合いながら徐々に戻りを辿る展開とみる。米ドル/円は(そもそもあまり落ちなかったが)10月初めの114円台に一時戻り、ダウ平均も一時下げ幅の76.4%戻しを達成した。先週金曜日は5日ぶり反落となったが、その前に大台で言えば史上最高値圏の2万6000ドル台を回復しており、ここまで戻れば10月の急落からはほぼ立ち直ったとみていいだろう。

それに比べれば日本株の戻りの鈍さが際立つ。まずは半値戻しの2万2710円を、次にはフィボナッチの61.8%戻しの2万3000円台回復をできるだけ早期に達成することが肝要だ。

日経新聞は土曜日の朝刊1面で、「上場企業の2019年3月期は最終的なもうけを示す純利益が前期比で1%増程度の横ばい圏にとどまる見通し」と報じた。グッドニュースである。多くの投資家が参考にしている日経新聞・市況欄に掲載されているPERから今期の純利益を逆算すると未だに前期比減益の見通しとなっている。つまり、市場参加者の多くは、初めから「今期減益」の想定でバリュエーションをはじいていたのであるから、それが「1%増程度の横ばい」なら予想EPSは切り上がる。実際、4-9月期の決算発表が始まる前は1700円程度だった今期の予想EPSは1700円台後半にまで上昇した。この先、日経予想が「1%増程度の横ばい」に修正されるなら、予想EPSは1800円台前半になる。PER14倍でも2万5000円台半ばは超える計算になる。

今週の注目材料は14日の中国の経済指標。11時に小売売上高、鉱工業生産、都市部固定資産投資などが発表される。「中国景気の減速」と手垢のついたニュースで再度上海株が売られることはないと思うが、最近の相場は幼稚になっているので下押しに警戒しよう。

15日に発表されるエヌビディアとアプライド・マテリアルズの決算も、このところの米ハイテク株決算に対する反応が繰り返されるリスクがある。すなわち、いい数字を発表しても、「期待に届かなかった」「先行きに対して慎重」などとネガティブな材料をこじつけて売られるという展開だ。そうなる恐れがあるので、半導体関連株の値動きには要注意。押したところは拾うチャンスだと思う。

今週の予想レンジは2万2000円~2万2700円とする。