今週火曜日の夜に出演したBSテレ東「日経プラス10」では、「ハロウィーン効果で流れが変わる?」というテーマで話した。過去50年以上の期間のデータを用いて、月末に買って半年間後に売るというシミュレーションを行うと、10月末に投資するのが最もリターンが高い。これは日本でも米国でも欧州でも同様の結果である。10月末に買って4月末に売る。これが「ハロウィーン効果」という有名なアノマリーである。セル・イン・メイ、5月に売れ、という格言とセットになっているわけだ。株は秋に買って春から初夏に売るのがいちばんいい。10月はブラックマンデーやリーマン危機後の暴落など株安が多く発生した月だが、それゆえ絶好の投資機会でもあったというわけである。番組では、「明日はまさにハロウィーン、そろそろいいタイミングかもしれません。」と述べたのであった。

このトピックは前日のFMラジオJ-Wave 「JAM THE WORLD」でも話した。その後、日経でも同様の記事が掲載されたからお読みになった方がおられるだろう。この季節になると昔からよく触れていたテーマだが、今年は渋谷のハロウィーンの馬鹿騒ぎがニュースになっていたので、メディアでとりあげるには良いタイミングだったこともあるが、なんといっても「タイミング」である。市場は、まさにハロウィーンのこのタイミングで絶好の買い場を提供してくれていたからだ。

「日経プラス10」では、10月も終わり月が変わるということも潮目が変わる一因になるとも述べた。米国株の最初の下げは金利対比の割高感調整という理由があったが、今の下げは「株価が下げた」という事実そのものが売り材料になっているので、もう金利とか業績とか関係なくなっている。いわば二次災害みたいなものだ(この表現は今日の「モーサテ」で使った)。市場の変動率や株価水準などが一定の水準に達したら強制的にポジション調整をしなければならないひとたちが大勢いる。そういうひとたちのポジション調整が一巡しないと動揺は収まらないが、月末というのはひとつの区切りとして意識されるだろう。月末でリバランスするひとたちも少なからずいるからだ。

同じく火曜日のストックボイス「東京マーケットワイド」ではこう述べた。11月になればいよいよ中間選挙目前、株が下げ続けていたらトランプ大統領も困るだろう。リップサービスのひとつも出るのではないか、と。果たしてトランプ大統領は1日、中国の習近平国家主席と話しをしたとツイッターに投稿した。トランプ氏は会談で「とりわけ貿易問題に重きを置いた」としたと表明。今月末にアルゼンチンで開かれるG20における米中首脳会談に向けて「良い議論ができた」と強調した。真偽のほどはわからない。だが、相場の支援材料になることは間違いない。

今日はテレビ東京のニュース「モーニングサテライト」に出演した。米国株の下落について、ファンダメンタルズで説明できる第一段階の下げと、その二次災害のような余波というか余震の部分。それはダウ平均の月足(ローソク足)でみれば、下ひげの部分。「本体」ではない、と。そうした説明を再びしてきた。

そして、いよいよ来週火曜に迫った米国中間選挙に関して、中間選挙後は株高となるだろう、と話した。9月14日付けのレポートで紹介したストーリーだ。

S&P500四半期ごとのパフォーマンス(過去74年)
出所:Bloomberg等データよりマネックス証券作成

米国株の四半期リターンを大統領就任の年毎に見ると、就任2年目の第4四半期から3年目の第1四半期が最も高い。言うまでもなく中間選挙が終わったことによる不透明感の払しょくが理由だ。但し、それは、中間選挙前の2四半期が不透明感で株価が低迷するから、その反動が一気に出るのだ。

ところが今年は記録的な景気の良さで株価がずっと高いまま(10月初旬に最高値)。だから中間選挙後のアノマリーは起きないのでは?と言われていたが、なんということはない、10月に一気に調整した。こう見ると10月の急落は、例年2四半期程度かけて起きるはずのビッグイベント前のポジション調整が一気に来たと見ることができる。そうすれば、この反動が中間選挙後に出て、やはり今年も中間選挙後の株高というアノマリーが期待できるだろう。例年、年末にかけて株高となるクリスマス・ラリーというアノマリーに加えて、自社株買いも活発化してくるだろう。これから株式市場は株高のシーズンに入っていく。

短期的なリスクとして今晩の雇用統計に注意したい。こちらのレポート(GMW)をご参照ください。