東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は463円高の2万1920円と大幅に続伸しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。中でもマザーズ指数は4%超の大幅高となっています。
昨日の米国市場で主要指数が上昇したこと、ドル円が113円台まで円安に振れたことを受け日経平均は112円高の2万1569円で寄り付きました。日経平均は寄り付き後に上げ幅を70円あまりまで縮めましたが切り返すと、10時頃から一段高となりその後も上げ幅を広げました。前場を332円高で終えた日経平均は後場に入ってもほとんど押し目をつけることなく堅調に推移し、引けにかけても上げ幅を広げると結局463円高と高値引けとなり昨日に続いて大幅に上昇して取引を終えました。東証1部の売買代金は3兆4851億円となりました。
東証33業種は30業種が上昇しました。電気機器、精密機器が4%近く上昇したほか、サービス業と情報・通信業も3%超上昇しました。一方で鉄鋼、倉庫運輸関連、電気・ガス業の3業種が下げています。
なお、昼休みの時間帯に日銀の金融政策決定会合の結果が発表され、物価見通しが下方修正されたものの大きなサプライズはなく、マーケットへの影響は限定的でした。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄はほとんどが上昇しました。売買代金トップの任天堂(7974)が昨日行った決算発表でニンテンドースイッチの販売伸び悩みなどが意識され0.3%安と小幅に下落したほかファーストリテイリング(9983)も小幅に下落しました。一方でソフトバンクグループ(9984)、ソニー(6758)、三菱UFJ(8306)、トヨタ自動車(7203)、ファナック(6954)、三井住友(8316)、アドバンテスト(6857)、東京エレクトロン(8035)がいずれも上昇しました。業績予想を上方修正したソニーは5%近く、アドバンテストは13%近い大幅高となりました。
その他材料が出たところでは、中期経営計画の上方修正と株式分割の実施を発表した化粧品や健康食品を手がけるファンケル(4921)が13%超の大幅高となりました。一方でお昼休みの時間帯に今期の業績予想を大幅に下方修正し、配当予想を無配とした千代田化工建設(6366)はストップ安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
日経平均は連日の大幅高となりました。ファンダメンタルズ、テクニカルの両面で割安、売られすぎの指標が散見されていたことからその修正がされた格好です。ただ、引き続き米国市場のボラティリティは高止まりしており、警戒を続けたい局面です。本日で10月の取引が終了しました。10月の日経平均は月間で2,199円安と5ヶ月ぶりの大幅下落となっています。
なお、本日の大引け後には約380社の決算発表が行われて決算発表前半戦のピークとなりました。パナソニック(6752)、村田製作所(6981)、NTTドコモ(9437)などが決算を発表しており明日のマーケットの反応が注目されます。
(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)