PORTFOLIO OVERVIEW( 25 Jun 2018)

今週の目立った動きは、ユーロのショートを拡大した結果、ドルがネット・ロングに転換したことだ。

足元のドルの強気・ユーロの弱気は、タカ派的なFED VS. ハト派的なECBという構図を反映したものだが、マーケットのセンチメントは徐々に変わる可能性がある。ユーロ圏でしっかりした指標が出てくることやOPEC総会を受け上昇した原油価格とコモディティ通貨の反応、そして貿易摩擦懸念などがその背景だ。

ここからのポジションは景気サイクルの終盤を意識したものとなろう。確かにG10諸国のうち豪州とNZを除く8か国は依然として景気拡大局面にあるものの、転換点は近づいているだろう。そのリスクは日増しに増加している。

先日、1回限りで消えたがリスク・インデックスが点灯した。その時、市場はシステミック・リスクに陥ることを回避できたが、今後も警戒は怠れない。安全通貨として円とスイス・フランの価値は高い。これまで円が安全通貨の中核だったが、今はスイス・フランにその立場を譲っている。円のグロース・ファクターがマイナスに転じる一方、スイスはグロース・ファクターが急伸している。

今週は英ポンドのロング・ポジションを大きく落としたが、バリエーションの良さ(割安であること)と金利の高さからポンドに対して極端な弱気ではない。われわれのモデルによれば英国の金利は(BREXITのリスクにもかかわらず)市場の予想以上に上がる見通しである。

カナダ・ドルはロングからショートに転じた。原油価格はカナダ・ドルの直近の安値からの戻りを支えるかもしれない。しかし予想より弱いインフレ指標は7月利上げ観測を再考させる材料になるだろう。

FX-1 STRATEGY Current Portfolio as of 25 Jun 2018

「+」の符号はその通貨のロング(買い持ち)を、「-」の符号はショート(売り持ち)を示す

現在のポートフォリオ
(Jun 25)
豪ドル
AUD
ユーロ
EUR
英ポンド
GBP
NZドル
NZD
カナダドル
CAD
スイスフラン
CH
日本円
JPY
ノルウェークローネ
NOK
スウェーデンクローナ
SEK
成長要因 +3.0 -11.5 -5.2 -13.1 +1.4 +39.5 -1.5 -5.8 -19.1
キャリー 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
バリュエーション -4.6 -12.0 +13.7 -10.0 -2.1 -18.5 +6.2 +18.5 +14.4
グローバル・リスク 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
ポジション調整 -5.8 -5.1 -1.8 +9.7 -4.8 -1.0 +0.4 -6.0 -2.0
最終ウェイト -7.4 -28.6 +6.7 -13.3 -5.5 +20.0 +5.1 +6.7 -6.7

ネットUSD(米ドル)ウエイト:+23.0

前回のポートフォリオ
(Jun 18)
豪ドル
AUD
ユーロ
EUR
英ポンド
GBP
NZドル
NZD
カナダドル
CAD
スイスフラン
CH
日本円
JPY
ノルウェークローネ
NOK
スウェーデンクローナ
SEK
成長要因 +2.2 +2.2 +10.5 -3.6 +3.1 +29.9 -7.2 +1.6 -39.7
キャリー 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
バリュエーション -4.6 -12.0 +13.7 -10.0 -2.1 -18.5 +6.2 +18.5 +14.4
グローバル・リスク 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
ポジション調整 -1.8 +0.8 +5.8 -0.6 +4.9 +6.8 +5.5 -13.0 +18.2
最終ウェイト -4.2 -8.9 +30.0 -14.2 +5.9 +18.2 +4.5 +7.1 -7.1

ネットUSD(米ドル)ウエイト:-31.3

ヘルプ

表の見方について広木が動画(約12分)で解説しています。

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DeepMacro FX-1 Strategy 通貨モデルの説明