1.概況
本日の日経平均は93円高の2万4033円と小幅に上昇し8日続伸となり1月23日以来約8ヶ月ぶりに終値で2万4000円の節目を回復しました。東証2部指数や新興市場のマザーズ指数も上昇しましたが、TOPIXやJPX日経400は小幅な下落と主要指数は高安まちまちでした。3月末決算銘柄の権利落ち日で配当落ちが約150円強あったことから、日経平均は93円安の2万3846円と反落して寄り付きました。日経平均は寄り付きの水準が1日の安値になるとその後は小幅なマイナス圏でのもみ合いとなりました。前引け間際に下げ幅を縮めてプラスに転じ13円高で前場を終えた日経平均は、後場に入ると小幅高での推移となりました。14時頃から一段高となり2万4000円の節目を回復した日経平均は引けにかけても上値を伸ばし結局93円高と高値引けで取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆9670億円となりました。東証33業種は石油石炭製品や水産・農林業、精密機器など16業種が上昇しました。一方で海運業や銀行業、その他金融業など17業種が下げています。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちでした。売買代金トップの任天堂(7974)が小幅に下げたほか、トヨタ自動車(7203)、三菱UFJ(8306)、スズキ(7269)、東京エレクトロン(8035)が下落しました。スズキは排ガス検査で結果の書き換えや対象件数の増加があると報告を受けたと国交省が発表すると急速に下げ幅を広げて4.5%の大幅安となりました。一方でソニー(6758)、ソフトバンクグループ(9984)、武田薬品(4502)、ファーストリテイリング(9983)、東海カーボン(5301)は堅調でした。その他材料が出たところでは、マザーズ上場の創薬ベンチャーそーせいグループ(4565)が口腔咽頭カンジダ治療薬の国内製造販売承認を取得したと発表したことを受け13%超の大幅高となりました。また、大手警備保障会社のセントラル警備保障(9740)は今期の業績予想を上方修正したことが好感され、ストップ高となっています。
【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は8日続伸して2万4000円の節目を回復しました。2万3000円を回復したのが9月14日ですから、その後6営業日での節目回復となりました。このまま1月23日につけた2万4124円の年初来高値更新を期待したいところですが、やや上昇のスピード感が速く東証1部の騰落レシオが140%近くまで上昇するなど過熱感を示す指標も散見されることからいったんの調整はやむを得ないと考えます。まずは大きく調整せずにこのあたりの水準の値固めを期待したいところです。今夜の米国市場では米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表が行われます。今年3回目の利上げが行われることはほぼ既定路線となっています。FOMCメンバーの来年以降の政策金利コンセンサスがどのような水準となり今後どの程度まで政策金利を上昇させる意向なのか注目されます。
(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)