1.概況
本日の日経平均は116円安の2万2580円と4日続落しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。昨日の米国市場で主要指数が小幅に下落したことを受け、日経平均は33円安の2万2663円と小幅に続落して寄り付きました。寄り付き後も下げ幅を広げた日経平均ですが、その後は値を戻し、一時は4円安と昨日の終値近辺まで値を戻す場面がありました。ただしプラスに転じることはできずに押し戻されると前場を65円安で終えました。日経平均は後場寄り直後に126円安と1日の安値をつけるとその後は値を戻しましたが、引けにかけて再度軟調な値動きとなり結局116円安で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆2644億円となりました。東証33業種は鉱業、パルプ・紙、金属製品、倉庫運輸関連の4業種のみが上昇し残る29業種は下落しました。中でも情報・通信業、不動産業、化学、海運業などの下げが大きくなりました。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄はほとんどが下げました。売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)が4%近く下げたほか、任天堂(7974)、トヨタ自動車(7203)、三菱UFJ(8306)、ソニー(6758)、資生堂(4911)、NTT(9432)、ファナック(6954)、東京エレクトロン(8035)がいずれも下落しました。中でも資生堂は4.2%安と大きな下げとなり、NTTも3%近く下げています。一方で8月の月次売上高が好調だったファーストリテイリング(9983)は売買代金2位に入って3%超上昇しました。ファーストリテイリングは日経平均を61円あまり引き上げています。ファーストリテイリングの他にも8月の月次売上高が好調だったアパレル関連の一角が買われました。アダストリア(2685)が7%超上げたほか、ユナイテッドアローズ(7606)も6.7%高となっています。また、米国ナスダック市場にADRの上場を申請したと発表したペッパーフードサービス(3053)も9%近く上昇しています。
【VIEW POINT: 明日への視点】
貿易関連問題に不透明感が残る中、日本市場は下落しました。ファーストリテイリングの上昇がなければ日経平均は180円程度下落していた計算となります。2万3000円の節目突破にまたしても失敗した格好となりマーケットのセンチメントはやや弱気に振れているようですが、2万2000円台後半で踏みとどまれるかが今週のポイントと言えそうです。
(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)