20171227_1.png

表の見方について広木が動画(約12分)で解説しています。

※お客様のご利用の端末の環境によっては動画をご覧いただけない場合がございます。あらかじめお客様ご自身の環境をご確認のうえ、ご利用ください。なお、スマートフォンでもご視聴いただけますが、ご視聴いただくには、V-CUBEセミナーアプリケーションのインストール(無料)が必要になります。
視聴環境
iPhone/iPad用アプリケーションをインストールする
AndroidR用アプリケーションをインストールする

PORTFOLIO OVERVIEW(25 Dec 2017)

先週はドルのネット・ロングポジションをその前の週の22.8%から4.9%へと大幅に減らしたが、今週は再び22.8%に戻した。このところのドルのポジションは「極めて大きい」(15-20%)と「穏当」(5-10%)の間を振り子のように揺れ動いている。

このような変動の大きさはキャリー・ファクターによる。われわれのシステムではここ数週間スイスフランをショートしてきたが、それに対するロング通貨は当初ドルだけだったものが、そこに豪ドルとNZドルが加わった。今週はユーロがショート・キャリーに入った。しかしこれは年末要因によるテクニカルなもので、われわれが使用しているキャリーの尺度からは耐久的な変更ではない。確かに、ユーロのポジションを一気にロングからショートに押し下げてしまうにはじゅうぶんなものだったが、おそらく短命に終わると見ている。

キャリーが変化する環境では、ウェイトのオン/オフが頻繁に入れ替わるのは珍しいことではない。通貨間のキャリー差異は大きく、そしてボラティリティは小さくあるべきだ。現在はそのようになりつつある途上だ。ボラティリティに対するキャリーがじゅうぶんに大きくなく、まだ「閾値」のレベルに過ぎない。よってもうしばらくキャリー・シグナルは点滅を繰り返すだろう。

円、北欧通貨、そして英ポンドのロングは変わらず、ただしユーロはショートに転換した。円は4%ウェイトが上昇した。経済の強い数字の反映である。

ショート通貨の状況も変わっていない。依然として割高なスイスフランはキャリーの主要な調達通貨である。

2018年を展望すると、通貨のマーケットは成熟したグローバル景気の拡大のなかでトレードされていく。経済成長はほぼ世界全域で良好だが、国ごとに金利見通しが異なる。なぜならインフレ見通しが違うからだ。このことは少なくともいくつかの国々において、資本フローのドライバーは経済成長関連のフロー(例えば株式)からキャリー関連のフローへと移行していくことを示唆している。これはほとんどのFX戦略にとってよりなじみ深い環境であり、リターンの見通しも結果的に高くなるだろう。

DeepMacro

DeepMacro社は、ビッグデータ技術を利用して、自動的かつリアルタイムにグローバルなマクロ経済を観察・分析し、これを基にマーケットの分析を行う米国のリサーチ会社です。詳しくは、こちらをご覧ください。

DeepMacro FX-1 Strategy 通貨モデルの説明

概要

DeepMacro FX-1 Strategy 通貨モデルは、DeepMacro 社のグローバル・マクロ・システムに基づき、G10通貨についてシステマティックなポートフォリオ戦略を提供するものです。通貨の変動を説明する様々な要因を捉え、DeepMacro 社のリサーチ・システムの膨大なデータを、流動性が高く割安なポートフォリオに変換します。

キーファクター:

成長要因:

強い景気サイクルにある通貨を買い、弱い景気サイクルにある通貨を売ります。この判断は別のモデル体系であるDeepMacro 社の「Growth Factor」に基づきます。「Growth Factor」は主要国のビッグデータを含む経済成長に関するリアルタイム・インディケーターです。

キャリー:

高いキャリーの通貨を買い、低いキャリーの通貨を売ります。しかし、高キャリーは高リスクでもあります。したがって、リスクに見合うだけのキャリーが得られる場合のみ、このファクターによる投資判断を行います。

バリュエーション:

割安な通貨を買い、割高な通貨を売ります。経済理論では、高い生産性の伸び、高い輸出価格、大きな経常黒字の通貨は高くなることが示されています。このモデルのバリュエーション・ファクターはこれらの要因にもとづき割高・割安の判断をおこないます。

グローバル・リスク:

投資家のリスク回避姿勢が強まった時には、いわゆる「セイフ・ヘイブン(安全な寄港地)」通貨を買います。DeepMacro社では金融市場の価格に基づいて市場のリスク選好度を見積もっており、「グローバル・リスク・インディケーター(GRI)」を算出しています。GRIが点灯した場合、モデルは日本円、スイスフラン、米ドルなどへの買いを指示します。

ポジション調整:

モデルは対米ドルで9通貨のポジションを表示します。モデルは各通貨への集中度制限などリスク管理のルールを適用し、最適化を行った結果としてポートフォリオを構築します。