いよいよ6月14日(木)にサッカーワールドカップロシア大会が開幕します。

昨日、日本代表選手23名が決定し、いよいよ本番間近となってきました。

前回ブラジル大会以降、日本代表は監督の交代や有力選手の怪我が相次ぎ、また一昨日の壮行試合も完敗となるなど、グループステージ突破に向けての期待感が今一つ盛り上がっていないように見受けられますが、健闘を期待したいと思います。

 

中国代表は、アジア最終予選で敗退し、本大会への出場は叶いませんでしたが、サッカーは人気のスポーツと言うことで、ファンの間では開幕を待ち望む声が聞かれ、また観戦ツアーの人気が高まっていると伝えられています。

 

ロシアへのツアー客は、既に1月から急増しているそうで、大手旅行代理店は、ワールドカップの開催が、ロシアへの注目度を高めたのではないかと分析しています。

当然ながら、大会の開催期間中は、航空運賃、ホテルの宿泊料ともに高騰しますので、試合のチケットと合わせ、費用は高額なものになります。

観戦チケットを扱う中国の代理店によると、グループステージのチケットは7,000元(約12万円)で、決勝戦になると6万元(100万円強)にもなるそうです。

南部福建省のアモイでは、10名の団体が観戦ツアーを申し込み、その総額は85万元(約1,500万円)に達しました。自国代表が出場せずともこれだけつぎ込むのですから、「本気度」がうかがえますし、また中国の豊かさも実感させられるところです。

 

日本代表の戦績や優勝国など、大会の結果も気になりますが、開幕前日の6月13日には、8年後の2026年大会の開催国が決まる予定です。

同大会からは、本大会への参加国数が48に増え、アジアからの出場枠も4.5から8に拡大されます。

国際サッカー連盟(FIFA)が、有望な市場である中国の開拓のため、同国代表の本大会出場の可能性が高まるよう、枠の拡大を行ったとも見られています。「オリンピックを上回る世界最大のスポーツイベント」とも言われるワールドカップですので、お金の問題は避けて通れませんが、競技の質も重要です。アジア代表が色眼鏡で見られないためにも、大会での活躍を見せたいところです。

 

中国のサッカー界は、国内リーグ(スーパーリーグ)は海外からの実績豊富な選手の移籍もあり活況となっていますが、代表チームは今一つ振るわない状況が続いています。1990年代の日本に重なって見えます。

遠からず、代表チームの実力も向上し、ワールドカップの出場常連国になるのではないでしょうか?日本も安閑としてはいられないように思います。

スポーツにも、国の経済力が反映される典型的な事例のように思われます。

 

日本代表は怪我を抱える選手が多いと聞きます。何とかコンディションを整えて、ロシアの地で良いパフォーマンスを披露できるよう、応援したいと思います。

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コラム執筆:長野雅彦 マネックス証券株式会社 北京駐在員事務所長

 

マネックス証券入社後、引受審査、コンプライアンスなどを担当。2012年9月より北京駐在員事務所勤務。日本証券アナリスト協会検定会員 米国CFA協会認定証券アナリスト