市場の変動性が高まるなか、各市場で何が起きているのか、誰が売買しているのかといった情報に対し、SNSを中心にさまざまな憶測が飛び交っています。断片的な情報は、投資家心理を大きく揺さぶる要因ともなります。

ある研究では、虚偽の情報は真実の情報よりも平均して約6倍も速く拡散されることが示されています。これは、虚偽情報のほうが怒りや驚きといった強い感情を呼び起こしやすく、新奇性も高いため、「他者と共有したい」心理を刺激しやすいからです。

さらに、SNSのアルゴリズムはエンゲージメントの高さを優先して情報を拡散させる仕組みから、感情に訴えるものほど目に触れやすい構造だそうです。また、生成AIの進化により、精緻なフェイク情報が誰でも簡単に作成・拡散できるようになり、虚偽と真実の見分けは難しくもなっています。

こうした情報に接した際、人々は感情的・直感的に反応しがちであり、結果として市場の動向に対する過剰反応や誤った投資判断が生じやすくなります。

私たちは常に一次情報をもとに判断しています。すると、ときに首をかしげたくなるような憶測や主張に出会います。金融リテラシーの重要性もさることながら、ノイズに惑わされず本質を見極める判断力を支えるのは、検証可能な事実に基づく情報です。

不確かな情報に流されず、一次ソースに立ち返る姿勢こそが、変動性の高い市場において判断を誤らないための、最も確かな防衛線となるでしょう。週末にコナンの映画も盛り上がっていましたが、まさに、真実はいつも一つ。