NYダウ: 25964.82  ▼22.10 (8/31)
NASDAQ: 8109.54  △21.17 (8/31)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場は米国とカナダが貿易交渉で合意できなかったことが重石となるなか小幅に高安まちまちとなりました。ダウ平均は昼過ぎに107ドル安まで売られる場面もありましたが、午後は9月5日に米国とカナダの貿易交渉が再開されると伝わったこともあって下げ幅を縮める展開となりました。結局ダウ平均は22ドル安の25,964ドルと続落となっています。一方で主力ハイテク株の一角への買いが続いたことでS&P500株価指数が0.3ポイント高の2,901ポイントと反発したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も21ポイント高の8,109ポイントと反発となっています。

2.経済指標等
8月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)は63.6と前月から低下しましたが市場予想を上回っています。また、8月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値も96.2と速報値から上方修正され市場予想を上回りました。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち不動産や一般消費財・サービス、情報技術などの6業種が上げました。一方でエネルギーや公益事業などの5業種が下げました。

4.個別銘柄動向
前日に9月12日に新製品発表のイベントを開くと発表したアップル(AAPL)への買いが続き1%を超える上昇となり連日で上場来高値を更新しました。また、決算が市場予想を上回る増収増益となったカナダのスポーツ衣料のルルレモン・アスレティカ(LULU)が急伸し13%余り上げています。さらにルネサスエレクトロニクス(6723)が買収で最終交渉に入ったと伝わった半導体のインテグレーテッド・デバイス・テクノロジー(IDTI)も急伸し12%以上上昇しました。一方で原油価格の下落を受けてシェブロン(CVX)が1%以上下げたほか、エクソンモービル(XOM)も軟調でした。関税の問題で中国産車両の米市場投入計画を撤回したフォード・モーター(F)も2%以上下げています。

5.為替・金利等
長期金利は0.01%高い2.86%となりました。ドル円は111円台前半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
先週末の米国市場が高安まちまちとなるなど新たな材料に乏しいことから本日の日本市場は小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか売りが優勢となった場合には日経平均が先週末同様に底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)