1.概況
本日の日本市場は米国市場で主要3指数が揃って小幅に続伸しS&P500株価指数とナスダック総合株価指数が連日で史上最高値を更新したことなどで続伸となりました。7円高の22,820円と小動きで寄り付いた日経平均は上値が伸び悩む展開がしばらく続きましたが、10時50分過ぎから一段高となり前場は154円高の22,968円と本日の高値で取引を終えました。127円高と三桁の上昇を維持してスタートした後場ですが14時過ぎに利益確定の売りが出て大きく上げ幅を縮めると一時は21円高まで弱含みました。その後大きく持ち直すことなく小幅高で推移した日経平均は結局34円高の22,848円で取引を終え7日続伸となりました。こうしたなか東証1部の売買代金は1兆9682億円と2兆円にわずかに届きませんでした。また、新興市場は堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均はともに反発しています。

2.個別銘柄等
アップル(AAPL)のiPhoneの新モデルへの期待から上昇が続いていたTDK(6762)が本日も買われ10連騰となりました。1.6%高となり年初来高値を更新しています。また、アップルに画像センサーを供給するソニー(6758)も1.9%高と4日続伸となり年初来高値を付けています。目標株価や投資判断に大きく反応する銘柄もみられました。目標株価の引き上げを受けて商船三井(9104)が4.1%高となったほか、東邦チタニウム(5727)も目標株価の引き上げを好感して4.4%高と上げました。クラレ(3405)も国内大手証券の投資判断の引き上げを受けて2.8%高となりました。さらに8月の単体売上高が前年同月比で13.1%増と高い伸びとなったアスクル(2678)も2.9%高となっています。一方で本日が2月決算銘柄の権利落ち日となるなか小売り株の一角に軟調なものがみられました。配当落ちの影響もあってローソン(2651)が2.9%安となったうえ、イオン(8267)も3.2%安となっています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は節目の23,000円近辺で上値を押さえられると失速するという後味の悪い展開が昨日から続いています。しかし、小幅高ながら続伸となったことでなんとか堅調な地合いは持続しているといえそうです。こうしたなか外部環境次第で明日以降も節目の23,000円を試す場面がありそうですが、日経平均は5月以降23,000円近辺で上値を押さえられる場面が続いているだけに仮に23,000円にトライするような展開となった場合にはしっかりと23,000円を抜けてこられるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)