NYダウ: 25369.13  ▼16.67 (1/10)
NASDAQ: 7153.57  ▼10.01 (1/10)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場は金利上昇が重石となり反落しました。取引開始後しばらくして130ドル安近くまで売られたダウ平均はその後下げ幅を縮めると午後には小幅なプラスに転じる場面もみられました。しかし、上値は重く結局16ドル安の25,369ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も10ポイント安の7,153ポイントと7日ぶりの反落となっています。

2.経済指標等
12月の米輸入物価指数は前月比0.1%上昇に止まり市場予想を下回りました。米輸出物価指数は前月比0.1%下落しこちらも市場予想を下回っています。一方で11月の米卸売在庫は前月比0.8%増加し市場予想を上回りました。米卸売売上高も前月比1.5%増加し市場予想を上回っています。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が下げ、不動産と公益事業が1%を超える下落となったほか、電気通信サービスも1%近く下げています。一方で金融と資本財・サービスが上げています。

4.個別銘柄動向
総合小売りのシアーズ・ホールディングス(SHLD)が5%を上回る上昇となりました。1億ドルの資金調達を発表したことで資金繰りへの懸念が後退したことが好感されました。外科手術を支援する装置である「ダビンチ・サージカル・システム」の販売が好調で市場予想を上回る2017年10-12月期の増収見通しを発表したインテュイティブ・サージカル(ISRG)も6%を超える上昇となり上場来高値を更新しました。2017年11月-12月の既存店売上高が前年比1.2%増になったと発表した百貨店のノードストローム(JWN)も3%近く上げています。独自の仮想通貨の発行を発表し前日に株価が急騰したイーストマン・コダック(KODK)は昨日も買いを集め57%を上回る上昇となっています。一方で年末商戦が振るわなかった宝飾品販売のシグネット・ジュエラーズ(SIG)が7%近く下げています。

5.為替・金利等
長期金利は変わらずの2.55%となりました。中国政府が米国債の購入縮小や休止を検討していると伝わったことで一時2.59%まで上昇する場面もみられました。ドル円はさらに円高となり111円台前半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株安に加え、ドル円が円高となっていることから本日の日本市場は下落してのスタートが予想されます。ドル円の動向をにらみながらとなりそうですが、下げ幅を広げる展開となった場合には5日移動平均線(昨日時点で23,524円)や節目の23,500円がサポートとなるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)