1.概況
本日の日本市場はクリスマス休暇で外国人投資家を中心に参加者が減り取引に盛り上がりを欠いたものの小幅に続伸し、日経平均が2週間ぶりに年初来高値を更新しました。6円高の22,909円で寄り付いた日経平均は先週末の米国市場が小幅反落となったこともあって直ぐにマイナスになると小幅安で推移し前場を14円安で終えました。しかし、下げ渋り底堅さをみせたこともあって後場寄りからプラスに転じると11日に付けた年初来高値(22,938円)を上回って13時過ぎには46円高の22,948円まで買われました。その後11日の年初来高値を下回る場面もありましたが、堅調に推移すると結局36円高の22,939円と年初来高値を更新して取引を終えています。こうしたなか東証1部の売買代金は1兆5458億円と10月5日以来の2兆円割れとなり、2015年12月28日以来の低水準となりました。また、新興市場は軟調で東証マザーズ指数が反落となったほか、日経ジャスダック平均も続落となっています。

2.個別銘柄等
ニトリホールディングス(9843)が一時9%以上下げ急落しました。先週末の取引終了後に発表した第3四半期決算で営業利益が第2四半期の減益から増益に転じたものの、二桁増益の通期予想に対して小幅な増益に止まったことから失望売りが膨らみました。引けは6.4%安となっています。仮想通貨のビットコインが急落したことを受けて関連銘柄に下げるものが目立ちました。SBIホールディングス(8473)が4.5%安、GMOインターネット(9449)が4.9%安、ソルクシーズ(4284)が6.2%安となっています。一方で業績の上方修正を受けて大きく上昇するものがみられました。2017年12月期の営業利益を従来の13億円から24億円へと引き上げた日本カーボン(5302)が7.0%高となり、2018年3月期の営業利益を44億円から65億円へと上方修正した飛島建設(1805)も12.5%高となっています。ジーンズメイト(7448)も12月の既存店売上高が前年同月比13.2%増と大きく伸びたことで20.2%高と急伸しています。さらに東海カーボン(5301)は株主優待制度の新設を発表したことで4.1%高となり年初来高値を更新したほか、ダイフク(6383)は国内大手証券の目標株価の引き上げを好感して4.4%高となっています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
本日の日経平均は午後に買いが優勢になると年初来高値を小幅に更新しました。大納会までの5営業日間の日経平均は上昇確率が高いこともあって掉尾の一振を期待する参加者も少なくないと思われるなか、年初来高値を更新してきたことから次は残り4営業日での23,000円台回復が期待されます。なお、今晩の米国市場はクリスマスの祝日で休場となります。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)