1.概況
本日の日経平均は111円安の2万2707円と4日ぶりに反落しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数も下落しましたが東証2部指数は小幅に上げています。先週末の米国市場で主要指数が下落した一方で、ドル円は112円台後半まで円安が進むなど強弱材料が入り混じるなか日経平均は24円高と小高く寄り付きました。日経平均は寄り付き後にすぐにマイナスに転じるとその後再びプラスに転じる場面もあったものの、10時過ぎからは一貫してマイナス圏での推移となりました。前場を44円安で終えた日経平均は後場入り後まもなく下げ幅を縮めて一時は2円安とプラス圏に転じる直前までいきましたが伸び悩むと、その後は下げ幅を広げました。日経平均は取引終盤にかけてもじりじりと下げ幅を広げて結局111円安と1日の安値圏で取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆4096億円となりました。東証33業種は鉱業、石油石炭製品、水産・農林業など7業種のみが上昇しました。その他製品、精密機器、空運業、金属製品など26業種が下げています。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位は下げた銘柄が多くなりました。売買代金トップの任天堂(7974)が2%近く下げたほか、ソフトバンクグループ(9984)、キーエンス(6861)、三井住友(8316)、トヨタ自動車(7203)、東京エレクトロン(8035)などが下げました。一方で三菱UFJ(8306)、ソニー(6758)、ファーストリテイリング(9983)、SUMCO(3436)は上昇しています。材料が出たところでは、百貨店各社が堅調でした。11月の銀座本店の売上高が前年同月比11%増と好調だった松屋(8237)が4.5%高と大きく上昇したほか、それぞれ月次売上が好調だったJフロント(3086)、高島屋(8233)も2%近く上げています。また、先週末に発表した中間決算で8-10月の営業利益が前年同期比4.8%増と堅調だった伊藤園(2593)は5.5%高となりました。さらに、東証1部への復帰が決まり先週末に大きく上昇したシャープ(6753)は本日も5%近い大幅高となりました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は4日ぶりに反落しました。米国でトランプ大統領のロシアゲート疑惑が再び取り沙汰され、波乱要因として意識されているのかもしれません。今週は米国でISM非製造業景況指数、雇用統計といった重要経済指標が発表されます。それらの経済指標の内容に加えてロシアゲート疑惑の進展、北朝鮮問題などが注目材料と言えそうです。
(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)