1.概況
本日の日経平均は51円安の2万296円と小幅に反落しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。昨日の米国市場で主要3指数は揃って小幅に下落しましたが、足元の強気なセンチメントからか日経平均は66円高の2万413円と続伸して寄り付きました。ただ、本日の日経平均は寄り付きの水準が1日の高値となりました。寄り付き時点では112円台半ば程度だったドル円が徐々に円高に振れると日経平均も上げ幅を縮めてマイナスに転じ、前場を58円安で終えました。ドル円が111円台まで円高に振れると日経平均は後場寄り後にさらに下げ幅を広げて一時は98円安をつける場面がありました。日経平均は引けにかけてやや下げ幅を縮めたものの、結局51円安と5日ぶりに反落して取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆5296億円となりました。東証33業種は石油石炭製品、銀行業、その他金融業など14業種が上昇した一方で鉄鋼や化学、繊維製品など19業種が下げています。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は下げた銘柄が多くなりました。売買代金トップの任天堂(7974)が1.5%安と続落したほか、ソフトバンクグループ(9984)、NTT(9432)、日産自動車(7201)、キーエンス(6861)がそれぞれ下げています。一方で三菱UFJ(8306)、三井住友(8316)、みずほ(8411)のメガバンク3行が揃って上げたほか、石川製作所(6208)は15%近い大幅高となりました。北朝鮮の外相が太平洋上で水爆実験を行うなどと述べたことから地政学リスク上昇の関連銘柄として短期資金が向かったとみられます。その他材料が出たところでは、昨日の大引け後に約160億円の新製品の受注があったと発表した半導体マスク欠陥検査装置などを扱うレーザーテック(6920)は2.6%高としっかりでした。また、9月の既存店売上高が前年同月比4.9%増だったと発表した子ども衣料の西松屋チェーン(7545)も1.3%高と堅調でした。
【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は5日ぶりに反落しました。4日続伸中で元々利益確定売りが出やすいところに北朝鮮が再び挑発的な発言を行ったことで週末を前に警戒感が広がったとみられます。来週は引き続き北朝鮮問題が焦点となるほか、安倍総理が衆議院の解散総選挙実施を判断するとみられており、野党共闘の行方や新党結成などについても注目が集まりそうです。また、来週後半から小売企業を中心に2月決算銘柄の中間決算発表が徐々に本格化してきます。個人消費動向を確認する上でも注目されそうです。
(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)