NYダウ: 21797.79  △13.01 (9/8)
NASDAQ: 6360.19  ▼37.68 (9/8)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
先週末の米国市場はフロリダ州に接近している大型ハリケーン「イルマ」への懸念や、9日が建国記念日となる北朝鮮による挑発行為への警戒感から上値が重くなるなか小幅に高安まちまちとなりました。下落して始まったダウ平均は下げ渋るとしばらくしてプラスに転じ昼前に60ドル高余りまで買われましたが、上値は重くその後は小幅高で推移しました。結局ダウ平均は13ドル高の21,797ドルと反発して取引を終えています。一方でS&P500株価指数が3ポイント安の2,461ポイントと続落となったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も37ポイント安の6,360ポイントと反落となっています。

2.経済指標等
7月の米消費者信用残高は前月比184億9850万ドル増の3兆7538億7092万ドルとなり市場予想を上回りました。また、7月の米卸売在庫も前月比0.6%増となり市場予想を上回りました。一方で米卸売売上高は前月比0.1%減となり増加を見込んでいた市場予想を下回っています。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーや情報技術、生活必需品などの7業種が下げ、エネルギーは1%を超える下落となりました。一方で金融や公益事業などの4業種が上げています。

4.個別銘柄動向
大型ハリケーンによる保険金の支払いが膨らむことへの警戒から売られてきた保険株に買い戻しの動きがみられるなか、トラベラーズ(TRV)が4%近く上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。また、大型ハリケーンの影響で住宅などの補修が増えるとの見方からホームセンターのホーム・デポ(HD)が1%余りの上昇となったほか、ボーイング(BA)も1%高となり、トラベラーズとホーム・デポ、ボーイングの3銘柄でダウ平均を60ドル程度押し上げています。ダウ平均構成銘柄以外では、信用情報大手のエクイファクス(EFX)がハッカーによる大規模な顧客データの流出を発表し急落するなか、サイバーセキュリティーの必要性がさらに高まるとの期待からセキュリティーソフト大手のシマンテック(SYMC)が大幅高となっています。一方でスーパー大手のクローガー(KR)が減益決算を受けて急落しています。さらにアナリストから弱気の見方が相次いだことで外食のチポトレ・メキシカン・グリル(CMG)も大幅安となりました。

5.為替・金利等
長期金利は0.01%高い2.05%となりました。ドル円は週末に北朝鮮による挑発行為がなかったことから週明けの朝方に円安となり108円台前半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
週末に北朝鮮による挑発行為がなく、ドル円が円安となっていることから本日の日本市場は上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が先週末の下げをどこまで取り戻せるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)