NYダウ: 21865.37  △56.97 (8/29)
NASDAQ: 6301.89  △18.87 (8/29)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場は良好な経済指標を好感して上昇しました。北朝鮮のミサイル発射による地政学リスクの高まりを受けて取引開始直後に134ドル安まで売られたダウ平均ですが、市場予想を上回った消費者信頼感指数を受けてその後下げ幅を縮めると昼前にプラスに転じ取引終盤には70ドル高まで買われました。結局ダウ平均は56ドル高の21,865ドルと反発して取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も18ポイント高の6,301ポイントと続伸となっています。

2.経済指標等
8月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数は122.9と前月から2.9ポイント上昇し、2001年7月以来およそ16年ぶりの高水準となり市場予想も上回りました。また、6月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数で主要20都市圏の住宅価格指数は前年同月比5.7%上昇し市場予想と一致しています。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち素材や金融、電気通信サービスなどの7業種が下げました。一方で資本財・サービスや情報技術などの4業種が上げています。

4.個別銘柄動向
航空機部品のロックウェル・コリンズ(COL)の買収で合意する見通しと伝わったユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)が3%近く上昇し、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。また、地政学リスクの高まりを受けて防衛関連株が買われるなかボーイング(BA)も1%を超える上昇となり、ユナイテッド・テクノロジーズとボーイングの2銘柄でダウ平均を45ドル余り押し上げています。さらに新型iPhoneへの期待からアップル(AAPL)も1%近く上昇し上場来高値を更新しています。一方で家電量販店のベストバイ(BBY)が急落しました。決算は市場予想を上回る増収増益だったものの、経営陣が先行きに慎重な見方を示したことが嫌気され売りがかさみました。通期の業績予想を下方修正したスポーツ衣料やシューズ販売のフィニッシュ・ライン(FINL)も急落しています。フィニッシュ・ラインの下げを受けてナイキ(NKE)も2%近く下げ、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなっています。

5.為替・金利等
長期金利は地政学リスクの高まりを受けて安全資産の米国債が買われ0.03%低い2.13%となりました。ドル円は米朝の武力衝突への過度な懸念が薄れるなか円安に振れ109円台後半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は米国株高と円安を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の19,500円を回復できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)