1.概況
本日の日経平均は15円安の1万9883円と小幅に3日続落しました。TOPIXやJPX日経400も下落しましたが、新興市場のマザーズ指数は1%高としっかりでした。昨日の米国市場でハイテク株比率の高いナスダック総合指数を含めた主要指数が上昇し、ドル円がやや円安に振れたことを受け日経平均は75円高と反発して寄り付きました。日経平均は寄り付き後に上げ幅を広げてまもなく111円高と1日の高値をつけました。ただし米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を今夜に控えるなかで上値追いとはならず、その後は徐々に上げ幅を縮める展開となりました。前引け前に一時マイナスに転じる場面もあった日経平均は後場に入ると小幅なプラス圏でのもみ合いとなりました。大きな方向感は出ないまま日経平均は結局15円安と小安く取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆2075億円となりました。東証33業種は空運業や陸運業など18業種が上昇しました。一方で石油石炭製品や非鉄金属など15業種が下げています。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は下落した銘柄が目立ちました。売買代金トップの任天堂(7974)こそ1.8%高と上げたものの、ソフトバンクグループ(9984)、三菱UFJ(8306)、東芝(6502)、三井住友(8316)、トヨタ自動車(7203)、KLab(3656)などがそれぞれ下げています。材料が出たところでは、小野薬品工業(4528)が5%超の大幅高となりました。発行済株式総数の4%近くにあたる2000万株の自社株買いを行うと発表したことが好感されました。また、土地活用やアパート経営を提案する東建コーポレーション(1766)は14%近い大幅高で上場来高値を更新しました。昨日発表した2017年4月期決算で営業利益が前期比40%増と好調だったほか、今期の業績予想も増収増益としたことが好感されました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
昨日に引き続き重要イベントを前にしているとあって日本市場は大きな方向感が出ませんでした。今夜の米国市場ではFOMCの結果発表が行われます。3月に続いて利上げを実施する可能性は極めて高いとみられており、利上げの実施自体は既にマーケットに織り込まれていると考えられます。注目されているのは、今年中にも開始されるとの予想もあるFRBのバランスシート縮小について何らかの示唆があるか、そしてFOMCメンバーの経済や金利の予測である「プロジェクション」に3月時点から変化があるかの2点です。バランスシート縮小についての示唆がなく、プロジェクションにも大きな変化がない場合円高要因となる可能性があり注意が必要です。

(マネックス証券 プロダクト部 益嶋 裕)