1.概況
本日の日経平均は450円高の1万9895円と大幅に続伸し、2015年12月3日以来約1年5ヶ月ぶりの高値を更新しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて大幅に上昇しました。連休中に米国株が上昇したこと、ドル円が112円台後半まで円安に振れたこと、フランス大統領選を波乱なく通過したことなどを受け日経平均は263円高の1万9709円と大幅に続伸して寄り付きました。日経平均は寄り付きの水準が1日の安値となるとその後はほぼ1日を通して上げ幅を広げました。349円高で前引けを迎えた日経平均は後場に入ると一段高となり、一時は上げ幅が480円を上回る場面もありました。引けにかけて高値からはやや上げ幅を縮めましたがそのまま1日の高値圏で取引を終えています。東証1部の売買代金は3兆4434億円と3兆円を超える大商いとなりました。東証33業種は全業種が上昇し、中でも空運業、化学、鉱業の3業種は3%を超える上昇となりました。
2.個別銘柄等
東証1部の9割以上の銘柄が上昇する全面高となりました。売買代金上位銘柄も概ね堅調で、任天堂(7974)、ソフトバンクグループ(9984)、トヨタ自動車(7203)、三菱UFJ(8306)、ソニー(6758)などの主力どころは揃って上昇しています。材料が出たところでは、4月の国内ユニクロの既存店売上高が前年比6.2%増だったと発表したファーストリテイリング(9983)は4.4%の大幅高となりました。ファーストリテイリングは1銘柄で日経平均を60円超押し上げています。また、2017年3月期の経常利益が従来予想の45億円から大きく上振れて55億円で着地した見込みだと発表したベネッセホールディングス(9783)も5%近い大幅高となっています。一方で2018年3月期の営業利益が前期比横ばい程度にとどまりそうだとの観測報道が出たSUBARU(7270)は0.6%安と冴えませんでした。
【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は450円の大幅高で年初来高値を更新しました。米国株高や円安進行に加えてリスクイベントとして警戒されていたフランス大統領選を終えたことで一気にマーケットの買い意欲が高まった印象です。日経平均は2万円回復まで約100円に迫っており、このまますんなりと2万円回復となるかが目先の注目材料となりそうです。また、今週は日本企業の決算発表が本格化します。明日以降は毎日200社以上が決算発表を行い、なかでも12日は1,000件近い企業が決算発表を予定しています。
(マネックス証券 プロダクト部 益嶋 裕)