1.概況
本日の日本市場は円安を好感して3日ぶりに反発しました。42円安の19,154円と下落して寄り付いた日経平均ですがまもなくしてプラスに転じると、111円台前半で推移していたドル円が、米議会が9月30日までの暫定予算を組むことで合意したと伝わり111円台後半まで円安に振れたことから10時半過ぎから上げ幅を広げ19,300円手前まで上昇しました。その後も大きく押すことなく19,200円台後半で堅調に推移した日経平均は、取引終盤で上げ幅を三桁に広げ結局113円高の19,310円とほぼ高値引けで取引を終えています。こうしたなか東証1部の売買代金は2兆2177億円となり、大型連休の谷間で閑散相場になりやすいなかでも2兆円を上回っています。また、新興市場も堅調で東証マザーズ指数が反発したほか、日経ジャスダック平均も5日続伸となっています。

2.個別銘柄等
決算発表が本格化するなか、市場予想を上回る強気の業績予想を発表して大きく上げる銘柄がみられました。主力の半導体製造装置が好調で市場予想を1割以上上回る営業利益の見通しを発表した東京エレクトロン(8035)が13.3%高と急伸し年初来高値を更新しました。また、同じく市場予想を上回る業績予想を発表した神戸製鋼所(5406)と富士通(6702)もそれぞれ9.7%高、8.4%高と大きく上昇し、富士通は年初来高値を付けています。ソニー(6758)も3.0%高と大幅高となり年初来高値を更新しています。5000億円という過去2番目の高水準となる営業利益の見通しが改めて好感されました。一方で前期に続いて今期も減益となる見通しを発表し、市場予想も大きく下回ったJAL(9201)が7.3%安となったほか、営業増益予想ながら市場予想に届かなかったANA(9202)も2.0%安と下落しています。さらに前期の6割を超す大幅な営業減益に続いて今期も5割近い減益予想を発表したリコー(7752)も7.0%安ときつい下げとなりました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
本日の日経平均は雲の下限(19,159円)を小幅に下回ったところで切り返すと、上昇に転じ雲の上限(19,292円)を試す展開となり、雲を小幅に上回って引けました。このまま明日も雲の中に戻ることなく日経平均が雲の上の位置をキープするようであれば、連休明け後の一段高への期待が高まりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)