1.概況
本日の日経平均は43円高の1万9085円と小幅に反発しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は概ね上昇しました。昨日の米国市場でダウ平均は小幅に下げた一方ナスダック総合指数は上昇と主要指数が高安まちまちで支援材料になりにくいなか、日経平均は昨日400円超の大きな下げとなっていたこともあり7円高と小幅に反発して寄り付きました。日経平均は寄り付き後に50円高近くまで上げ幅を広げましたが、今夜に米国でオバマケア(医療保険制度改革法)の代替法案の採決が予定されていることなどから様子見感が強まりマイナスに転じるなど方向感に欠ける展開となりました。一時は1万9000円の節目を割り込んで下げ幅を70円近くまで広げた日経平均ですが、その後は持ち直し前場を26円高と小高く終えました。後場に入ると一時は小幅なマイナス圏で推移する場面もありましたが、概ねプラス圏で推移すると引けにかけてやや上げ幅を広げ日経平均は結局4日ぶりに反発して取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆1905億円となりました。東証33業種は石油石炭製品や鉱業など17業種が上げました。一方でその他製品や海運業など16業種が下げています。

2.個別銘柄等
売買代金上位銘柄は高安まちまちとなりました。昨日まで5日続伸と大きく上昇していた任天堂(7974)は本日は2.1%安と6日ぶりに反落しました。三菱UFJ(8306)やトヨタ自動車(7203)、三井住友(8316)、ソフトバンクグループ(9984)などが下げた一方で、東芝(6502)、みずほ(8411)、ファナック(6954)などがそれぞれ上昇しました。中でも東芝は分社して設立する方針の半導体メモリー新会社が早ければ2018年度にも上場することを前提に株式売却が進められていると一部で報じられたことを材料に6.9%の大幅高となりました。また、シリコンウェーハを手がけるSUMCO(3436)は大手証券が投資判断と目標株価を引き上げたことが好感され3.4%高となっています。その他材料が出たところでは、外資系証券が目標株価を引き下げた価格比較サイト等を手がけるカカクコム(2371)は5.9%の大幅安で昨年来安値を更新しました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
今夜は米国でオバマケアの代替法案の採決が予定されています。同採決の可決が危ぶまれていることでトランプ政権の政策運営の不透明感が高まり、円高や株安につながっているとみられるため同採決の結果に注目が集まります。また、本日はイエレンFRB議長の講演も予定されています。連邦公開市場委員会(FOMC)後とあってサプライズが出る可能性は低いとみられていますが、今後の利上げペースなどについて何らかの発言が行われるか注目されます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)