1.概況
本日の日経平均は65円安の1万8910円と小幅に反落しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。昨日の米国市場で主要指数が小幅に下落したことに加え、ドル円が111円台まで円高に振れたことが嫌気され日経平均は132円安と反落して寄り付きました。日経平均は9時半過ぎに下げ幅を170円あまりまで広げて1日の安値をつけましたがその後は徐々に下げ幅を縮める展開となりました。前場を85円安で終えた日経平均は後場に入るとさらに下げ幅を縮めて14時頃には6円安をつける場面がありました。引けにかけてやや下げ幅を広げた日経平均は65円安で大引けをむかえました。東証1部の売買代金は2兆610億円と2兆円の節目をわずかに上回りました。東証33業種は水産・農林業、空運業、不動産業など11業種が上昇しました。一方でその他製品や鉱業、輸送用機器の3業種が1%を超える下落となるなど計22業種が下げています。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金トップに入ったトヨタ自動車(7203)は2.3%安と3日ぶりに反落しました。昨日の大引け後に行った第3四半期の決算発表で10-12月の業績が市場予想を下回ったことが嫌気されました。その他の売買代金上位銘柄は高安まちまちとなりました。三菱UFJ(8306)や任天堂(7974)、JT(2914)、三井住友(8316)、みずほ(8411)などが下げた一方でソフトバンクグループ(9984)、ソニー(6758)、ホンダ(7267)などが上げています。中でもホンダは日立(6501)と電気自動車などに使う車載用のモーター事業で提携すると報じられ、1.4%高となりました。日立も1.1%高となっています。その他材料が出たところでは、ドンキホーテホールディングス(7532)が6.5%の大幅安となりました。昨日発表した中間決算が市場予想を下回ったことが嫌気されました。一方で水産物大手のマルハニチロ(1333)が5.8%高と急騰しました。通期の営業利益予想を従来の220億円から260億円に上方修正したことが好感されました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
円高を嫌気して日経平均は反落しました。ただ、一時は6円安まで下げ幅を縮めて底堅さを見せるなど下値では一定の買いが入っているようです。第3四半期の決算発表が本格化する前に1,170円程度だった日経平均の1株当たり利益(EPS)は決算発表を受け1,200円程度まで上昇しています。さらなる業績の上方修正期待が日本株の下値サポートになっているようです。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)