年末に株高となるアノマリー

「アノマリー」という言葉をご存じでしょうか。明確な根拠がなく理論的に説明はできないものの、マーケットで頻繁に起きるとされている事象を指します。例えば、5月以降は株価が下落しやすいと言われる「Sell in May(5月に株を売れ)」や、10月末に株を買えばその後のパフォーマンスが好調とされる「ハロウィン効果」、「節分(2月3日)天井、彼岸(3月20日)底」などが知られています。
そして、それらと同様によく知られているのが「掉尾の一振(とうびのいっしん)」や「年末ラリー」として知られる「年末にかけて株高になる傾向がある」というアノマリーです。本レポートでは、過去本当に「年末株高」は起きたのかを検証いたします。

年末株高は本当にあった

日経平均、東証2部指数、東証マザーズ指数の3つの指数を検証したところ、日本においては少なくとも過去10年は、年末株高が起きる年が多かったことがわかりました。各指数を順番にご紹介します。
※以下、11月末の株価を12月末の株価が上回った場合は勝ち、下回った場合は負けとして集計しています。

以上のように3指数とも過去10年を振り返ると、勝率が70%~80%と高く、11月末に買って12月末に売るという投資行動をしたと仮定すると、10年間の平均リターンもプラスを確保しています。特に日経平均は過去10年間で6度、28日以降に12月の高値をつけており、まさに「掉尾の一振」が起きています。
理屈で説明できないのがアノマリーですから、年末株高の理由を論理的に説明するのは難しいですが、新年相場への期待感や機関投資家のドレッシング買いなどが年末株高の理由として説明されることが多いようです。さて、今年はどうなるでしょうか。