みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。今回も窓についての解説の続きです。

前回は「今後の値動きについてですが、すべての窓を埋めてしまいましたので、サポートラインを割り込まずに下げ止まるようであれば、もち合いに戻ってさらにもち合いの上限に接近することも視野に入ってくるのではないかと思われる反面、割り込んでも戻せない状態になるようですと、トレンドが転換することも考えられますので、今週に引き続きサポートラインと株価の位置関係を確認しながら値動きの判断に役立てたいところです」としましたが、結果はどうなったのでしょうか。

早速チャートを確認してみたいと思います。

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チャートを見ると分かりますが、前回のコラム掲載のあとの株価動向を見ますと、サポートライン上を維持しているのが分かります。ただ8月10日以降の日経平均株価の水準は25日、75日移動平均線を下回って推移しているのが分かります。

このように安値と安値を結んだサポートライン上を推移している場合、サポートラインは上向きになっているため、横ばいで推移するとサポートラインを下回ってしまうことになります。また、このまま横ばいで推移していると、25日や75日移動平均線が下向きに変化してしまうことになり、中長期の移動平均線も上値の抵抗に変化することが考えられ、先行きを考えると、このままもち合いだから大丈夫と安心して見ていられる状態ではないのです。

こうした状況から、もち合いのなかで方向を探る展開となっていることが分かる反面、近いうちに25日や75日の移動平均線上を回復するか、あるいはサポートラインを下回ってしまうのかの結果が出てくることも頭に入れながら株価の動きを日々確認しておく必要があると考えられるのです。

仮に25日や75日の移動平均線上を回復するようですと、まだ埋めることができていない2月2日と5日のあいだにあけた窓を埋める可能性が出てくる反面、サポートラインを終値ベースで割り込んだあと、株価がサポートライン上を回復できないようですと7月5日の安値や3月26日の安値に接近することも視野に入ってくるため買いポジションを持っている投資家は注意が必要と言えます。

したがって、株価がもち合いを形成しているときに思い込みで売買して保有株数を増やすのはリスクが非常に高いことになってしまうため、もち合い後の方向がはっきりしたときにポジションを持つというのが実践的なセオリーになりますので、ポジションを大きくし過ぎないよう注意したいところです。