みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。今週も窓についての解説です。それではいつものように、先週の日経平均株価を振り返って確認してみたいと思います。
日経平均株価のチャート上に75という数字が2つ並んでいますが、下段が先週5月29日から75日間になります。そして上段が6月5日から75日間という意味になります。上段の75日前の株価と6月5日の株価の水準を比較すると、6月5日の株価の方が高いため75日移動平均線は上向きを続けているのが分かります。
そうしたなか、先週5月30日に窓をあけて株価が大きく下落した場面では、上向きの75日移動平均線がサポートになったことに加え、3月26日の安値から5月21日の高値までの値幅を見てみると、フィボナッチリトレースメントの38.2%押しの水準で下げ止まり、株価が反発しているのが分かります。
また、5月30日に終値で維持した価格水準は3月13日の終値ベースの高値水準と重なっている価格帯であることも分かります。
このように株価はランダムに動いているように見えて、過去の高値を上回ると、反落したときにその高値で下げ止まったりすることがあるというのが実際の値動きになるのです。
また、1月23日に高値をつけてからの一連の値動きを見ていると、一本調子の上昇や下落が続いたり、上下の値動き(ジグザグ)を繰り返したりしながら株価の方向(トレンド)を形成しているのが分かります。
そうしたなか、今後の株価はどのように動いていくのでしょうか。
そこで前回指摘したことをもう一度思い出してみましょう。前回は1月23日の高値から3月26日の安値までの値幅の半値押し水準を維持できるかが今後の株価動向を予測する上で重要だとしましたが、一週間が過ぎてみると、一旦割り込んだものの6月5日には回復しているのが分かります。
また、売買高も膨らんできているようです。こうした状況から一旦75日移動平均線まで下落する場面がありましたが、株価は戻りを試している状況と考えられ、引き続き反発の継続を試す状況になるのではないかと思われます。
そのため、25日移動平均線を上回って上昇が続くと考えられる反面、ひとつ注意しなければならないことがあります。それは、5月30日の安値をつけたあとに株価が戻す過程で窓をあけていることです。
これらの窓は過去の値幅の範囲内であいていることから、コモンギャップ(=普通の窓)と考えられますが、これらの窓を埋める可能性があります。
また、6月5日現在では25日移動平均線に押し返されて終えていることからも、先週発生した窓を埋める値動きになったときには注意が必要になるのではないかと思われます。
ただし、上向きに変化した75日移動平均線で下げ止まるようですと、75日移動平均線がサポートになって反発が続くことが考えられ、窓を埋めずに上昇が継続することも考えられ、安値で売ってしまわないよう注意が必要です。
果たして、株価はどちらに動こうとしているのか、引き続き分析していきたいと思います。
コラム執筆:福永 博之 株式会社インベストラスト代表取締役
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